昔懐かしい庶民生活を肌で感じる仁川名所ツアー

 仁川市には旧市街と新都市が共存している。未来都市を思わせる松島やショッピングに最適な富平が新都市なら、仁川市中区や東区は昔ながらの情緒が味わえる旧市街だ。

 中でも仁川の昔の様子や市民生活を垣間見ることができるのが「水道局山タルドンネ博物館」、夏に食が進む「花平洞冷麺通り」、仁川市民憩いの場「自由公園」だ。好天の休日に仁川市民の生活をたどる旅に出た。

水道局山タルドンネ博物館は、かつて仁川市東区にあった貧しい人々の町「タルドンネ」の姿をとどめるために建てられた。
▲ 水道局山タルドンネ博物館は、かつて仁川市東区にあった貧しい人々の町「タルドンネ」の姿をとどめるために建てられた。

■庶民の哀歓が宿る「水道局山タルドンネ博物館」

 「水道局山タルドンネ博物館」(仁川市東区)と聞くと、「水道局山」という地名に首をかしげる人もいるだろう。だが、この地名の由来は思ったより簡単だ。「水道局山」という名は、東仁川駅の裏にある山に水道施設があったことから付いた。「タルドンネ」は貧しい人々が集まった山沿いの町のことだ。

水道局山タルドンネ博物館では「タルドンネ」の様子を肌で感じることができる。
▲ 水道局山タルドンネ博物館では「タルドンネ」の様子を肌で感じることができる。

 博物館の2階「私たちの写真館」では、昔なつかしい学校の制服を着ることができる。ここで制服を着て記念写真を撮ったり、写真館の近くを歩きながら1970-80年代の街の様子を楽しんだりできるので、是非行ってみたいという方も多いだろう。

■庶民のおなかを満たしてくれる「花平洞冷麺通り」

 博物館前の下り坂を行くと、「花平洞冷麺通り」と書かれた標識がある。東仁川駅と仁川駅を結ぶ鉄道のすぐ脇にある花平洞冷麺通りには、その名前の通り冷麺の店がずらりと軒を並べている。

花平洞冷麺通りでは大盛りの冷麺を手頃な価格で味わえる。
▲ 花平洞冷麺通りでは大盛りの冷麺を手頃な価格で味わえる。

 花平洞の冷麺は洗面器ほどもある丼に盛られて出てくる。だからここの冷麺には「洗面器冷麺」という別名もある。花平洞周辺の工場で働く人々は冷麺の大盛りを注文することが多いため、器も大きくなったのだ。

 この一帯の店の多くは量が多いが、値段は3000-5000ウォン(約330-550円)台と安い。また、ハツカダイコンのキムチが入っているので後味がサッパリしている。冷麺のサッパリした味と量の多さ、そして値段の安さで、夏には仁川市民だけでなく大勢の観光客がやって来て大にぎわいとなる。

■韓国初の近代式公園「自由公園」

自由公園は長年にわたり仁川市民に憩いの場を提供してきた。
▲ 自由公園は長年にわたり仁川市民に憩いの場を提供してきた。

 花平洞でおなかがいっぱいになったら、仁川市中区の「自由公園」へ。1888年に作られたこの公園は韓国初の近代式公園で、ソウル初の近代公園「タプコル公園」より9年早く完成した。それ以来130年間にわたり仁川市民の憩いの場の役割を果たしてきた。

 公園内には森や遊歩道があり、のんびりと散歩をするのに絶好だ。また、6・25戦争(朝鮮戦争)時のマッカーサー将軍による仁川上陸作戦を記念する像や忠魂塔など、さまざまな歴史の足跡もあり、子どもたちの歴史の勉強にも役立つ。

自由公園からは仁川港が一望できる。
▲ 自由公園からは仁川港が一望できる。

 だが、何と言っても見逃せないのは公園の頂上から眺める仁川港と月尾島の風景だ。仁川沖が一目で見渡せ、広々とした景色を満喫できる。

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