歌手のシン・ヘチョルさんが医療事故で死亡したとされる問題で捜査を行ってきたソウル松坡警察署は3日、シンさんの手術を行ったスカイ病院(ソウル市松坡区)のカン・セフン院長(45)の過失が認められるとの結論を下し、カン院長に業務上過失致死容疑を適用して、起訴すべきとの意見を付し送検する方針だと発表した。
シンさんは昨年10月17日、腸狭窄(きょうさく)の手術を受けた後、数日にわたって胸の痛みを訴え、その後心停止状態に陥り死亡した。警察によると、カン院長はシンさんに対し腸狭窄の手術を行う過程で、患者の同意を得ずに胃緊縛術(胃バンディング術)を並行して実施したという。
警察はこの過程で、小腸や心膜(しんまく)=心臓を包む膜=に穴が開き、腹膜炎や敗血症などを誘発したものとみている。手術が終わった後、適切な診断や治療を行わなかったため、シンさんが死亡したという点も、カン院長の過失に当たると警察は判断した。
警察の関係者は「手術後に撮影された胸部X線写真で、腹膜炎の症状が進行していることが分かったにもかかわらず、治療が行われていなかった。(胸の)激しい痛みを訴える患者に対し「通常の回復の過程なので我慢しなさい」と言って鎮痛剤などを投与するにとどまるなど、カン院長が適切な措置を講じたとは考えにくい」と説明した。カン院長側は報道資料を通じ「胃の手術については事前にシンさんに同意を求め、手術後には再入院を指示したが、シンさんがそれを拒否して自ら退院した」と主張し、警察の捜査内容の説明に反論した。