インタビュー:ヨ・ジング「演技が嫌になったことはない」

インタビュー:ヨ・ジング「演技が嫌になったことはない」

 韓国映画界が久しぶりに盛り上がっている。ヨ・ジングのためだ。ヨ・ジングが映画『俺の心臓を撃て』(ムン・ジェヨン監督)を引っさげ観客の前に帰ってきた。9カ月ぶりだ。その間、かなり成長した。もう17歳となり、年上の女性ファンも「ジング・オッパ(年上の男性や恋人などに対する呼び方)」と呼びたがっているほどだ。女優たちからラブコールが相次いでいるのにはそれなりの理由がある。

 ヨ・ジングが今回出演した『俺の心臓を撃て』は、脚本家チョン・ユジョンの同名小説を映画化したもの。ヨ・ジングは精神的な傷を負い、現実から逃げている社会不適合者スミョン役を演じた。ヨ・ジングは自分の世界に閉じこもっているスミョンという人物が気になり、映画に出演することに。

 「映画は美しく面白い作品になったが、僕の演技が物足りない。前半に迷わなかったらもっとよくできたのに…」

 ヨ・ジングが残念がるのも分かる。スミョンは難しいキャラクターだった。精神病を患っている上、心に傷と悩みを抱えた、静かな人物だ。どうしても表現に限界がある。映画関係者も「快くスミョンを演じるという俳優がいなかった」と話していたほどだ。

 「スミョンの経験や感情は周囲で感じられないものなので、最初は小説に頼った。小説を参考にしているうちに、その枠の中に自分を閉じ込めて演じていた。『僕はうまくやっているのか』という疑問もわいた。監督ももそうだし、現場で『楽にやれ』と言われていたので、原作の負担を振り払うことができた。僕が感じたとおりにスミョンを表現することができた」

 原作に縛られていた不安感が、現実から抜け出せなかったスミョンを演じるのに役立ったことだろう。ヨ・ジングは「迷った」と言ったが、観客は気づかなかった。試行錯誤を重ねたが、スミョンのキャラクターに没頭した。10年間の経歴があったから可能だったことだ。

パク・ミエ記者
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