称賛の声はその人の良さを改めて見直させる。信頼できる人の言葉ならなおさらだ。そうして注目するようになった人がいる。「あの人にそんな一面があったのか」と改めて気付かされた女優、チョ・ヨジョンだ。
突然会社から解雇されたキャリアウーマンのボヒ(チョ・ヨジョン)と、廃業寸前のアダルトグッズ店経営者ナニ(クララ)によるドタバタ劇を描くコメディー映画『ワーキングガール』(1月7日公開)の公開前、女優チョ・ヨジョンと会った。映画『春香秘伝 The Servant 房子伝』『後宮の秘密』『情愛中毒』などこれまでの出演作全てのキャラクターが違っていたので、チョ・ヨジョンが初めて挑戦したコミカルな演技も違和感がなかった。チョ・ヨジョン本人も「本当に明るくキュートなキャラクターだと思う。映画の登場人物の中で愛らしくないキャラクターがいないので、とてもいい」と話し、満足感を示した。
スクリーンの中でチョ・ヨジョンはパワフルなキャラクターだった。濡れ場もあったが、そのような部分より、チョ・ヨジョンは「愛する人たちが私の演技で笑顔になるのがこんなに気分がいいのかと、メディア試写会の日に感じた。友人の一人が『あまりにも笑いすぎて涙が出たせいで、つけまつげが取れそうになった』と言っていたのだが、その言葉が一番笑えました」と言って幸せそうな笑顔を浮かべた。
久しぶりに女性だけのポスターが登場した。同作のメディア試写会で、チョ・ヨジョンも「女性の物語を描く映画は久しぶり。個人的な願いがあるとしたら、『ワーキングガール』がヒットして、女性の物語を描く作品がたくさん制作できればうれしい」と話した。
ワーカホリックの現実主義者ボヒと、アダルトグッズ店経営者という理想を追うナニ。二人のキャラクターのうち、チョ・ヨジョンはどちらに近いか尋ねると、ためらうことなく「自分は現実的な人間」と答えた。
「私はすごく現実的な人間だと思う。感傷的になったりできない。女優なのだから、感性的なのはもちろんのこと。でも、現実的な面が強いと思う。現実的に可能なのかそうでないのかについて、よく考える。『とにかく絶対できる!』という発想にはならない。現実的に可能性があるように見えたらためらうことなく飛び込むが、現実的に可能性がないと飛び込めない」
先ほどチョ・ヨジョンの出演作について話したが、本当に休むことなく、異なる服をいくつも着てきた。服を着替えることに、何のためらいもなかったし、休むこともなかった。つまりワーカホリックだ。しかし、相変わらずほかの服を着る準備をし、期待感を裏切らない。チョ・ヨジョンの原動力が気になった。
「私が会う素晴らしい人たちに、そのエネルギーが出ているのだと思う。私はずっといいパートナーと仕事してきた。人は相対的な存在なので、会う人によって、その人の持つ別の姿が出るではないか。素晴らしい監督、俳優と仕事をし、その人たちといるからこそ、私の新しい一面が引き出されているのだ。それが毎回作品に込められていると思う。素晴らしいパートナーと出会い、成長し続けているというか。本当に全て、素晴らしいパートナーたちのおかげ」
チョ・ヨジョンは、自分は本当に恵まれていると言った。素晴らしい人たちとの出会いもそうだし、新しい服を着るチャンスが巡ってくることもそうだと。しかし、チョ・ヨジョンと会う人たちにとっては、チョ・ヨジョンが素晴らしい人なのである。