歌手のシン・ヘチョルさんが医療事故で死亡したとされる問題で、医療紛争調停仲裁院は「担当の医師らが手術後、腸穿孔の発生が疑われる症状を観察し、十分な措置を講じなければならないにもかかわらず、必要な措置を怠ったという明らかな過失がある」との報告書をソウル松坡警察署に提出したことが、14日までに分かった。
シン・ヘチョルさんは昨年10月半ば、ソウル市松坡区にあるスカイ病院の院長から腸狭窄(きょうさく)の手術を受けたが、数日後に胸の痛みを訴え、そのまま心停止状態に陥り死亡した。仲裁院は「シンさんが胸の痛みを訴えたのに対し、積極的に原因を究明しようとしなかった」と指摘した。病院側は「シンさんが勝手に退院したため精密検査ができなかった」と主張したが、仲裁院は「病院は患者に状態を説明し、退院しないよう命じなければならないが、そのような措置を怠ったという点も重大な過失だ」と指摘した。
シンさんの遺族側は「病院の院長が腸狭窄の手術を行った際、患者の同意を得ることなく、術後の後遺症の誘発と関係のある胃緊縛術(胃バンディング術)を実施した」と主張したが、仲裁院はこれについても「部分的な胃緊縛術が行われたものとみられる」と説明した。