自然に恵まれた済州島は、誰もが認める韓国の代表的な旅行地だ。特に、雄大な姿を見せる済州島の滝は、以前から済州を代表する観光地として広く知られている。
一見すると同じ滝だが、それぞれに済州の滝ならではの異なる魅力が感じられる。今回は済州を代表する四つの滝を紹介しよう。
■世界7大自然景観にも選ばれた「天地淵の滝」
最初に訪れるのは「天地淵の滝」。済州の3大滝の一つとして有名で「天と地が出合ってできた池」と呼ばれる所にある。滝は高さ約22メートル、水深約20メートルと非常に大きく雄大なのが魅力だ。
また天地淵の滝の周辺にはクスドイゲの木やオオウナギなど、多数の天然記念物や珍しい植物が自生しており「世界7大自然景観」「生物圏保存地域(ユネスコエコパーク)」「世界ジオパーク」にも選ばれている。
天地淵の滝は恋人たちのデートコースとしても人気がある。流れ落ちる滝をライトが照らし、ロマンチックなムードを醸し出すからだ。ほのかな照明に照らし出される滝を見ていると、おとぎ話の世界に来たような錯覚を覚える。
夜の滝の景色もよいが、滝をきちんと見るのであれば展望台に上ることをお勧めする。西帰浦七十里詩公園の展望台からは、滝の全景はもちろん、びょうぶのようにせり立つ漢拏山まで一望できる。
■韓国で唯一、海に落ちる「正房の滝」
次に訪れたのは「正房の滝」。この滝も済州島の3大滝としてその名を知られている。特に、この滝は韓国で唯一、海に落ちる滝として有名だ。
約23メートルの高さから2本の滝が海に落ちる様子は圧巻だ。周囲の絶壁やところどころにある老松、長く伸びた海岸線などと共に、水墨画のような景色をつくり出している。
天地淵の滝との違いは、正房の滝では水遊び(?)ができるという点だ。滝が海に落ちるため、夏になると靴を脱いで海に足を浸し、暑さをしのぐ観光客の姿が多数見られる。また、海辺には済州で水揚げされた新鮮な海産物が味わえる場所もある。
■雨の日にしか見られない滝「オント滝」
次に訪れたのは、雨の日にしか見られないという「オント滝」。2011年にKBSのバラエティー番組『ハッピーサンデー』の「1泊2日」コーナーで紹介されて有名になったオント滝は、自然の恵みをたっぷり味わうことのできるスポットだ。
普段は滝を見ることはできないが、雨が降り続く(降雨量70ミリ以上)と滝が出現し、雄大な姿を拝むことができる。約50メートルの高さから落ちる滝は、周囲の奇岩絶壁と見事に調和して独特の魅力を醸し出している。
その年の降水量によっても異なるが、年間10回ほど滝を見られるチャンスがあるというので、雨の日は必ず立ち寄ることを強くお勧めしたい。
■済州の隠れた観光名所、エメラルド色の「ウォナンの滝」
最後に訪れるのは、済州の隠れた観光名所として知られる「ウォナンの滝」。隠れた観光名所といわれる理由は、トンネコ遊園地(自然観光地)の森の中にひっそり隠れているからだ。木々の間の遊歩道を10分ほど歩いていくと、エメラルド色に光るウォナンの滝が現れる。
「滝なんてどれも同じ」と思ったら大間違いだ。木々の間から見えるエメラルド色の光は、ほかでは見られない、ここだけの景色だ。まるで武陵桃源(理想郷)とでもいおうか。岩にぶつかる滝は涼しさだけでなく清涼感も味わわせてくれる。時間に余裕があれば、岩の上にシートを広げて少し休んでいくのもいい。