済州島は火山島なので玄武岩が多く、海から風が吹くことが多い。また、その昔は男たちが仕事で船に乗っていたので島には女性が多かった。このため、済州島は「岩」「風」「女」の「三多島」とも呼ばれている。
この「三多」は今も多いのだろうか。「三多」を感じる方法は、思いのほか身近にある。半日で「三多」を感じることができる、完璧なコースを済州島の東側で見つけた。
■済州島の石が作る「ごつい」芸術作品、北村トルハルバン公園
済州島の石を象徴するのが「トルハルバン」だ。トルハルバンとは、人々を守ってくれる守護神であり、場所を教えてくれる標識であり、通行禁止を知らせる警告板でもある。「トル」は「石」、「ハルバン」は済州島の方言で「おじいさん」という意味だ。
「北村トルハルバン公園」はトルハルバンを集めたテーマパーク。森に溶け込んだトルハルバンの光景で有名なスポットだ。済州島を中心に、さまざまな形をした各地のトルハルバン48基がそっくりそのまま再現されている。
また、公園には『銀河鉄道999』や動物たちをかたどったオブジェもある。さらに、トルハルバンの土偶作りをはじめとする美術プログラムも体験できる。ちなみに、トルハルバン公園の森には多種多様の樹木があり、2月に済州島の観光地で初めて「自然観光魅力物」に認定された。
■月汀里海岸道路、涼しげな風に吹かれて楽しむ一杯のコーヒー
トルハルバン公園から東へ、日走東路に沿って移動すると、月汀里海岸道路に出る。広がる海を眺めて月汀里海岸道路を歩けば「三多」の一つ、風を感じることができる。
エメラルドグリーンの海と風力発電所の風車はエキゾチックだ。この景色のおかげで、月汀里海岸道路は済州島7大道路の一つに選ばれた。海岸沿い建てられた作られたカフェもおしゃれでムード満点だ。
カフェの窓際に座り、一杯のコーヒーを味わいながら月汀里を楽しむ。ほおをなでる風は旅の自由な時間をプレゼントしてくれる。
■女子だけでゆっくりしたい方には女性専用ゲストハウス
石と風は昔のまま、今も多いことが分かった。しかし、「女」については多少、意味が違ってくる。現代の済州島はエキゾチックなムードに浸れる観光スポットとして女性のハートをつかんでいるのだ。
済州島を訪れるのは一人旅や女性同士の旅行客が多い。また、済州島の美しい景観は中国まで名を馳せ、中国人の女性旅行客も増えた。こうした流れから、済州島のあちこちに女性専用ゲストハウスが誕生している。
女性専用ゲストハウスは、パウダールームやドライヤー、トイレといった設備が充実していて快適だから、女性にとって利用しやすくて安心だ。女性専用ゲストハウスとして有名なのが「チョインゲストハウス」と「1158ゲストハウス」。ほかにも、建物全体が女性専用ではないが、女性専用のドミトリーやシャワー施設などを備えたところも多い。
時代の移り変わりと共に少し意味は変わったかもしれないが、今も済州島の「三多」は健在だ。これを機会に済州島の新しい「三多」を訪ねる旅はいかが?