米誌代表が語る「K-POPに必要なもの」

米ビルボード誌代表は韓国系2世
「さらに深みあるストーリー性を」
K-POPグローバル戦略などテーマに講演

 「K-POPは歌だけでなく、ダンスやファッションなど360度全てが完全包装されたジャンルだ。しかし、米国人もそろそろ『このパッケージは本物だろうか』と疑い出すだろう」

 米音楽専門誌「ビルボード」のトップを務めるジャニス・ミン代表(44)は「今後K-POPはもっと大衆にストレートに近づいていく必要がある」と語った。ミン代表は6日、ソウル市内のブルー・スクエアで行われた「2014ソウル国際ミュージックフェア」で「K-POPと韓流コンテンツの過去・現在・未来、そしてグローバル戦略」をテーマに基調講演をした。講演後の記者懇談会でも、ミン代表はK-POPの長所だけでなく短所についても率直に指摘した。

 「米国でもかつてはN Sync(インシンク)ようなポップ・グループが人気だったが、大衆は彼らの完全包装された姿にすぐにうんざりした。韓国人歌手たちも忙しすぎて、ファンに会う時間がないと思う」

 ミン代表が率いるビルボード誌は世界で最も有名な音楽チャート「ビルボード・チャート」を決める雑誌だ。同代表は今年1月、ビルボード誌とエンターテインメント専門誌「ハリウッド・リポーター」を発行するグッゲンハイム・メディア・グループの共同代表兼クリエイティブ総括責任者(CCO)に任命された。音楽・映画・テレビといったエンターテインメント分野で最も影響力のある雑誌の発行を総括する役職だ。

 「ビルボード誌に携わったことで、K-POPの影響が大きいことを実感した。数週間前、韓国の女性アイドルグループLADIES’ CODEのメンバー2人が交通事故で死亡したニュースが米国でも話題になったことを見ても分かる」

 ミン代表は1992年、芸能誌「ピープル」に入社して記者生活を始めた。2002年に芸能週刊誌「USウィークリー」に移って1年後に編集長に昇進、6年で同誌を業界2位に引き上げた。ハリウッドスターたちのプライベートに関するさまざまな報道を強化したことが奏功したのだ。10年に「ハリウッド・レポーター」編集部に移ったときも、同誌の売り上げを50%以上も上げた。

 「大衆が望むのは深みのあるストーリー。単にカントリー・ミュージックを上手に歌うミュージシャンを紹介するのではなく、その音楽的背景やカントリー・ミュージックの歴史など幅広い部分をカバーする物語を伝える必要がある。業界関係者が文句を言ったら記事を『ボツにする』慣行もなくさなければ」

 韓国系2世のミン代表は、動物学教授の父親と米連邦国税庁職員の母親のもとで育ち、「家族の大切さを学んだ」とという。現在は3人の子どもを抱えるワーキング・マザーだ。

 「寝る間もないほど忙しいが、それでも私は成功者なのかまだよく分からない。少なくとも、私の子どもたちにとってだけでも良い手本になることが目標だ」

権承俊(クォン・スンジュン)記者
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