インタビュー:オ・ヨンソ、全羅道方言を駆使し熱演

▲ソウル・汝矣島で1日に会ったオ・ヨンソは1時間遅刻した。オ・ヨンソは「前作『メディカル・トップチーム』がダメだったときも、落ち着いてあるがままに受け止めよう、と思った。ボリのように明るいのが私の一番の長所だと思う」と語った。/写真提供=MBC
▲ ▲ソウル・汝矣島で1日に会ったオ・ヨンソは1時間遅刻した。オ・ヨンソは「前作『メディカル・トップチーム』がダメだったときも、落ち着いてあるがままに受け止めよう、と思った。ボリのように明るいのが私の一番の長所だと思う」と語った。/写真提供=MBC

視聴率33%超のドラマ『やって来た! チャン・ボリ』主演

 全羅道と慶尚道を突っ切るのは蟾津江だけではない。キュートな女性が全羅南道長興郡の方言でわめき立てる。地元出身者かと思ったら、その女性の故郷はそこから220キロ離れた慶尚南道昌寧郡庁からさらに車で20分ほど走ったところにある同郡桂城面。15歳のときまでここで暮らした。「全羅道と慶尚道の言葉は違うが、方言特有の感性は似ている。リズムがあるではないか」。週末ドラマ『やって来た! チャン・ボリ』(MBC)で主人公チャン・ボリ役を演じるオ・ヨンソはそう語った。

 ドラマは非現実的でこじつけ感があるとの意見もあったが、毎週のように自己最高視聴率を更新。全羅道の方言を話す20代の主人公は、まさに冒険だった。これまでドラマで全羅道の方言と言えば、ごろつきや詐欺師、脇役が主に話していた。今年4月の制作発表会当時、オ・ヨンソも「一度も使ったことのない全羅道の方言にプレッシャーを感じる」と語ったほど。毎日方言の先生から4時間ずつ授業を受けた。方言の単語を、歴史の教科書に出てくる遺物名のように感じた。セリフを覚えるのに普段の倍も時間がかかった。「脚本家キム・スンオクさんにだまされた。最初は方言を心配するなと、10話くらい進めばソウルの言葉を使うようになるからとおしゃった」。話し方が早くなると、ソフトなオ・ヨンソの抑揚に方言のリズムが混じる。友人について行ったオーディションで関係者の目にとまり、2002年にはガールズグループ「Luv」のメンバーに。方言を隠そうと、ほとんど「はい」「いいえ」しか話さなかった時期だ。「今では方言が武器。秘蔵の武器!」というオ・ヨンソ。

 生まれて初めてのタイトル・ロールだが、2011年まではほとんど無名に近かった。「10年だけ我慢してダメだったらあきらめよう」と心に決めていた。デビューから10年目を迎えた翌年、ドラマ『棚ぼたのあなた』(KBS第2)で一気に名前が知られるように。その後ドラマ『オ・ジャリョンが行く!』(MBC)、バラエティー番組『私たち結婚しました』まで休みなく駆け抜けたが、問題はその後だった。昨年主要キャストに名を連ねたドラマ『メディカル・トップチーム』(MBC)は視聴率3%台と低迷。オ・ヨンソは「髪を短く切ったら、周囲の人たちは視聴率のためにそうしたと思ったみたい」と語った。年末の授賞式を家のテレビで見ながら落ち込んだが、今では次回の内容を尋ねる携帯メールが殺到、すれ違う人が「ボリ、ボリ」と連呼する。桂城面事務所に勤める父、慶尚南道晋州で暮らす母方の祖母は近所のスターになった。オ・ヨンソは「いい思いもつらい思いもしたので、精神的に成長したのだと思う」と語った。

 オ・ヨンソが演じるチャン・ボリはたたかれ、だまされ、苦境に陥れられても耐える。未婚だが、血のつながらない姉(というより敵)の娘を大事に育てる。「ボリは天使でなければばか。私だったら、(怒って)もう何度も(姉の)髪を引っ張っているはず」というオ・ヨンソ。とにかく耐えるキャラクターで、何度も泣いた。体重が4キロ落ち、声帯結節が生じた。オ・ヨンソは「大変だが視聴率が高いので気分がいい」という。

 全50話のドラマはあと8話を残すのみ。強行軍だが、オ・ヨンソは「最近、目が澄んできたと言われる。皆さんに愛され、元気が出てくるみたい」と言って笑った。今では標準語がぎこちないというオ・ヨンソが、標準語で語った。「次は慶尚道の方言を使ってみたい。専攻を生かさなきゃ」

チョン・サンヒョク記者
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