済州島で楽しむ「色探しの旅」

 済州島といえばエメラルドの海、黒くて穴だらけの玄武岩、黄色に染まった菜の花畑などを思い浮かべるだろう。この島にはさまざまな「色」が存在する。済州島を訪れる人々は、島のあちこちにある「色」を見るためにこの島にやってくるといっても過言ではない。

 済州島ならではの「色」を求めて、済州7大名品に選ばれた「涯月-下貴海岸道路」を中心に、島の西側にある「翰林公園」から黒い砂浜が魅力的な「三陽黒砂海岸」にかけてのエリアを巡ってみた。

済州島の海のエメラルド色は済州島の海岸を代表する色だ。
▲ 済州島の海のエメラルド色は済州島の海岸を代表する色だ。

■済州島の全てが分かる!? 翰林公園

 済州空港から国道1132号線で西に向かうと、翰林公園が見えてくる。翰林公園は、済州に行ったら誰もが一度は訪れる観光名所だ。一つの公園の中で、済州の植物生態や地形的特徴まで全て知ることができる。

 異国の雰囲気が漂うヤシの並木に沿って見学ルートを歩くと、天然記念物に指定された挟才・双竜洞窟をはじめ、済州石・盆栽園、チェアム民俗村などを見学することができる。

 海岸道路はくねくねと曲がった海岸線に沿って続いている。全長およそ11キロで、海岸沿いの絶壁や青く広がる海などさまざまな景色を堪能できる。通り過ぎるのがもったいなければ、道路沿いの休憩所に車を止めて自然の景色を満喫しよう。

 休憩所からの景観はバラエティーに富んでいる。遠くに見える青い海、済州島の特徴である玄武岩の黒い岩、道路沿いに植えられている緑の植物が調和して美しい色合いをなす。特にこの場所は済州島の西側に位置しているため、夕方になると、海に反射する夕日の赤が加わる。

翰林公園に行けば、済州島の植物生態や火山島の特徴が一目で分かる。
▲ 翰林公園に行けば、済州島の植物生態や火山島の特徴が一目で分かる。

 この道路で最もお勧めなのが、海岸絶壁の展望台だ。展望台に上ると、涯月邑高内里付近に広がる海岸線と青い海、そして素朴な雰囲気の涯月邑が一望できる。まるで映画に出てくるような絶景だ。また、遠くの海岸道路を行き交う車が、景色に躍動感を与えてくれる。

 海岸道路の周辺には民宿やレストランが点在する。複数のバラエティー番組で紹介されて有名になった海鮮ラーメン屋もあるが、あまりの人気に整理券を配布しているほどだ。だが海岸道路の景色に見とれていると、待ち時間も短く感じられる。

■黒い砂と海のハーモニー、三陽黒砂海岸

 済州空港から東に約10キロのところにある三陽2洞海岸。ここは内陸にぐっと入り込んだ海岸線に沿って大きな砂浜が広がっている。済州島のビーチはほとんどが白砂だが、ここの砂は黒いのが特徴。この黒い砂は、海岸近くに分布する火山岩が長い年月をかけて波に少しずつ削られてできたものだ。

「涯月-下貴海岸道路」では、ドライブを楽しみながら済州島の海を見渡すことができる。
▲ 「涯月-下貴海岸道路」では、ドライブを楽しみながら済州島の海を見渡すことができる。

 この海岸の最高の魅力は、波が打ち寄せるたびに浜辺の色が変わること。波が押し寄せると海中の黄色い砂が浜を黄色に染め、波が引くと再び黒い砂浜に戻る。これは済州島のほかの海岸では見られない景色だ。海岸を歩けば、浜の色の変化が楽しめるだけでなく、柔らかな砂の感触も体験できる。

 三陽洞祝祭委員会では2002年から、毎年夏に三陽海岸で「三陽黒砂海岸祭り」を開催し、観光客向けに砂蒸し風呂を実施している。太陽の熱で熱せられた砂に足や肩、あるいは全身をうずめて20-30分ほど蒸し風呂を体験してみよう。砂蒸し風呂は関節炎や神経痛に効果があるという。

三陽海岸は済州島のほかの海岸とは異なり、浜辺の砂が黒い。
▲ 三陽海岸は済州島のほかの海岸とは異なり、浜辺の砂が黒い。

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