インタビュー:どんな色にも染まれるJYJユチョン

映画『海霧』出演

インタビュー:どんな色にも染まれるJYJユチョン

 「スポンジのように全てを吸収する俳優」

 俳優キム・ユンソクが映画『海霧』(13日公開)で共演したJYJユチョン(28)について評価した言葉だ。20代後半から30代前半の俳優たちは、たった1回のインタビューでも個性やオーラを際立たせようという必死さがうかがえる。だが、ユチョンはキム・ユンソクの言葉通り「無色透明」でスポンジに近い。インタビュー中に何度か声を出して笑っただけで、言葉をあえて飾ろうとせず、主張や個性を見せつけようともしない。ユチョンは「打ち上げのとき、キム・ユンソク先輩に『スポンジみたいだ』と言われました。僕は演技が上手なわけでもないし、長年やってきたわけでもないのに、なぜそんな風に褒められたのか分かりません」と語った。

 「考えたり悩んだりしないようにして、白紙の状態で演技に取り組んできたからでしょうか。昔は台本を読みながら分析し、いろいろ考えて準備していました。ですが、今回は台本を見たときの第一印象のまま演じました。まだ作り上げていないときの感じは本当にドキドキするし、緊張るのが良かったんです」

 『海霧』は劇団「演友舞台」創立30周年記念作の同名舞台劇の映画化で、映画『殺人の追憶』(2003年)の脚本を手掛けたシム・ソンボが監督を務め、同映画の監督だったポン・ジュノがプロデュースした。人間の欲望がぶつかり、船と船員たちはボロボロになるが、その中で最年少の船員ドンシク(ユチョン)と中国朝鮮族の少女・紅梅(ハン・イェリ)だけが嵐や海の霧に耐え、野の花のように生き抜く。ユチョンはキム・ユンソク、キム・サンホ、ユ・スンモク、イ・ヒジュン、ムン・ソングンら演技派の先輩俳優たちに溶け込みながらも、その中で存在感を出さなければならなかった。だが、その点についても、ユチョンはひとまず合格点をもらっている。あごのラインが少し丸みを帯びて見えるのは、撮影時に体重を5キロ増やしたからだ。「船乗りのように長靴を履き、汚れた服を着たら、みんなどう思うんだろうと心配しました。地方の漁村のお年寄りたちは誰も僕のことが分からなかったようです。撮影でもなければあんな格好をすることはなかったでしょう」

 ユチョンはアイドルグループ東方神起を経て、現在はJYJとして活動している。今はアイドルが演技もするのも当たり前と思われるようになったが、ユチョンがドラマ『トキメキ☆成均館スキャンダル』(10年)で男性主人公を演じたころは、冷ややかに見られたこともあった。このドラマは大きな話題を呼び、ユチョンだけでなく共演者のソン・ジュンギやユ・アインも人気に火が付いた。「アイドル出身というレッテルが嫌なときはある?」と聞くと、ユチョンは「アイドルという評価や形容詞は本当に気にしていません」と答えた。

 「映画1本についても好き嫌いが極端に分かれます。それぞれ好みがあるじゃないですか。この世の中でそうした評価が嫌だというのはわがままです。だからといって、アイドルのイメージがあるから特定の役にこだわるということもないし、脇役や助演でも気にしません。ずっとこの仕事を続けるのが目標ですから。僕が40代なっても『アイドル出身』という形容詞を付けてもらえたらいいですね」

インタビュー:どんな色にも染まれるJYJユチョン

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卞熙媛(ピョン・ヒウォン)記者
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