インタビュー:大ヒット中の韓国映画「鳴梁」に出演 俳優・大谷亮平さん 

【ソウル聯合ニュース】韓国で大ヒット中の時代劇映画「鳴梁」(原題)に日本人俳優が出演し、注目を集めている。

 出演したのは韓国のドラマや映画で活躍する大谷亮平(33)さん。映画は壬辰倭乱(文禄・慶長の役、1592~98)の際、朝鮮水軍を率いた李舜臣(イ・スンシン)将軍が330隻の日本水軍に勝利を収めた「鳴梁海戦」を描く。大谷さんは李舜臣に心酔し、朝鮮軍に投降した俊沙役を演じる。俊沙は李舜臣が戦中に記した「乱中日記」にも登場する。

 映画は7月30日に公開。初日に過去最高となる68万人を動員し、史上最短の8日目で700万人を突破した。大谷さんは映画のヒットについて、「予想通り」と笑顔をみせた。キム・ハンミン監督への信頼があったという。大谷さんは日本でも公開されたキム監督の前作「神弓-KAMIYUMI-」にも出演した。

 映画で俊沙の登場シーンは多くない。だが、韓国と日本が歴史認識などをめぐり依然としてぎくしゃくする中、約500年前の人物とはいえ、祖国に背を向けて戦う人物を演じることへのプレッシャーは大きかった。

 「最初は俊沙という人物に魅力を感じました。ですが、事実上のスパイということが気になったんです。日本人の友たちや家族、韓国人の友たちからも大丈夫かと言われました」と振り返る。いい加減な気持ちで撮影に臨んではいけないと思い、気を引き締めた。キム監督から「俊沙という人物をしっかり演じ切れば、両国の橋渡しになるような存在になると思う」と言われた。この言葉が大きな勇気になったという。

 映画には圧倒的な存在感を放つチェ・ミンシク(李舜臣)やリュ・スンリョン(来島通総)など、韓国を代表する俳優が出演する。大谷さんは「負けないぞと思ってすべてを出し切った」と自信をみせる。

 ベテラン俳優らにとっても船の上での戦闘シーンは厳しかった。俳優らは撮影前、約1カ月間、アクションスクールで体力トレーニングを受けた。小学生の頃からバレーボールで鍛えてきたため体力には自信があったが、きつい撮影が続いた。撮影途中、左耳がちぎれる大けがも負った。

 大谷さんは現在、KBSテレビで放映中の「朝鮮ガンマン」(原題)でユン・ガン(イ・ジュンギ)の助っ人、カネマル役を演じている。同ドラマは同時間帯のドラマの中で視聴率トップを守っている。

 韓国でデビューしてから8年目。韓国語の演技はまだうまくできないものの、日本語と韓国語の両方が使える韓日合作作品に挑戦してみたいという。

 大谷さんは3年前の聨合ニュースとのインタビューで、「運が良かったので韓国に残れたと思います。どの撮影も最後かもしれないと思いながら頑張っています」と話していた。今の感想を聞くと、「最後という考えはなくなりました。今はもっと活動したいだけです」と力を込めた。(金泰均)

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