【ソウル聯合ニュース】韓国俳優のチェ・ミンシクが第2の全盛期を迎えている。出演映画が相次いでヒットしているためだ。
チェ・ミンシク主演の韓国映画「鳴梁」(原題)は公開初日からさまざまな記録を打ち立て、韓国映画界の強者に浮上した。
「鳴梁」は、壬辰倭乱(文禄・慶長の役)で朝鮮水軍を率いた李舜臣(イ・スンシン)将軍が勝利を収めた鳴梁海戦を描いた。チェ・ミンシクは主人公の李舜臣を好演し、同作のキム・ハンミン監督が「李将軍そのもの」と評価するほど演技力の高さを見せ付けた。
公開日の先月30日に観客68万人以上を動員。公開初日の動員数で、カン・ドンウォンとハ・ジョンウ主演の韓国映画「群盗:民乱の時代」が打ち立てた過去最高記録(55万人)を塗り替えた。公開2日目は70万人を動員し、ボックスオフィスの平日観客動員数記録も更新した。
一方、チェ・ミンシクのハリウッドデビュー作「LUCY/ルーシー」の人気も高い。米国の映画興行収入を調べている映画情報サイト「ボックスオフィス・モジョ」によると、同作は北米で公開初週に4402万ドル(約45億円)の興行収入を記録し首位に立った。
リュック・ベッソン監督がメガホンを取り、スカーレット・ヨハンソン、モーガン・フリーマンが主演する同作は、平凡な生活を送っていたルーシー(スカーレット・ヨハンソン)がある日、マフィアに拉致されてから超能力を得たことで繰り広げられるストーリーを描いたアクション映画。
チェ・ミンシクはマフィアのボスを演じた。麻薬を運ぶ途中に覚醒し超能力を使えるようになったルーシーと最後まで対決する。
チェ・ミンシクは1990年代から2000年代にかけて韓国を代表する俳優として君臨した。「シュリ」(1999年)、「ハッピーエンド」(1999年)、「パイラン」(2001年)、「オールド・ボーイ」(2003年)などを通じ興行面でも演技面でも認められた。カンヌ国際映画祭で韓国映画としては初めて審査員特別大賞(グランプリ)を受賞した「オールド・ボーイ」では主人公のオ・デスを熱演し、世界の映画界に強烈な印象を残した。
しかし、順調だった役者人生にも試練が訪れた。2006年、韓国政府が打ち出したスクリーンクォータ制(韓国映画の義務上映制度)縮小方針に強く抗議したため。「オールド・ボーイ」のヒットを機に受章した文化勲章を返納してまで政府と対立したが、残ったのは傷だけだった。その後、オファーは途切れ、「クライング・フィスト」(2005年)以降の5年間は演劇や低予算映画への出演だけで満足しなければならなかった。
長いブランクを経て「悪魔を見た」(2010年)で復帰を果たしたチェ・ミンシクは、472万人を超える観客を動員した「悪いやつら」(2012年)で返り咲いた。その後「新しき世界」(2013年)が観客数468万人を記録したのに続き、「鳴梁」「LUCY」と出演作が相次いでヒットしている。長いブランクからの復帰後、わずか4年で韓国にとどまらず米国でも一目置かれるグローバルスターに成長した。
時代劇と現代劇、韓国映画とハリウッド映画で縦横無尽の活躍を見せるチェ・ミンシクの今後に注目が集まる。