宇宙人の男と韓国人女優の愛を描いたドラマ『星から来たあなた』への熱い反響は放映終了後もさめやらない。最近はこうした人気に乗って、ドラマロケ地が観光スポットとしてクローズアップされている。特に仁川は『星から来たあなた』でおなじみのロケ地が集まっており、ツアーコースにもなっているほどだ。
■「0点ソンイ」誕生の地、仁川大学松島キャンパス
最も代表的な撮影スポットは「仁川大学松島キャンパス」だ。「大学も観光スポットになるの?」という疑問にはさまざまな意見があるだろうか、ここはドラマ全21話のうち11話に登場するほど重要な場所だ。
仁川大学がドラマに登場した時間は合計3040秒(約50分)。これは視聴者に印象を残すのに十分な時間だ。既にここには『星から来たあなた』の足跡を追って大勢の観光客が訪れており、その中には中国人ファンもいる。
仁川大学内にはドラマに登場した場所が8カ所ある。中でも観光客に一番人気があるのは「情報技術学部第304号講義室」。ト・ミンジュン教授(キム・スヒョン)の講義シーンが撮影された場所で、「私もチョン・ソンイ(チョン・ジヒョン)みたいになりたい!」という人々が続々と訪れているという。チョン・ジヒョンがレポートで0点を取った瞬間、いわゆる「0点ソンイ」が誕生したのは、講義室右側4番目の列の通路側にある席だ。ここは日の光がよく入るので撮影スポットになった。
仁川大学キャンパスは建物の内部だけでなく外観も素晴らしい。春の日差しを背に受けながら中央広場を歩いていると、まるで海外のキャンパスを歩いているかのような錯覚を起こす。特に、校門に向き合う形で建っている展望台からはチョン・ソンイの華麗なる登校姿を演出した道路はもちろん、キャンパスの全景が見渡せる。
■キム・スヒョンが自分の正体を告白した仁川広域市立博物館
仁川大学から7キロの所にはもう一つのロケ地「仁川広域市立博物館」がある。ここは1946年に開館した韓国初の公立博物館で、ドラマではト・ミンジュンがチョン・ソンイに「自分は宇宙から来た」と正体を告白した場所だ。
ドラマ人気のおかげもあるが、ここは仁川国際空港に近く、歴史が学べるということで最近、外国人観光客が急増している。特に三国時代から朝鮮王朝時代までの韓国の陶磁器の歴史が紹介されている「工芸室」は、ト・ミンジュンが自分の400年前の写真を見せたシーンの場所だ。中には、博物館が出てくるシーンをプリントしてそのロケ地を確認しようと、一生懸命に探して訪ねてくる中国人観光客もいる。
博物館内には観覧客のための細かい心配りがあちこちに光る。室内には観光客の記念撮影用ポスターがあり、外国人客にはなじみのない歴史について説明してくれるボランティアも常時待機している。受付ではオーディオ・ガイドの貸し出しも可能だ。入場もオーディオ・ガイドも全て無料。
■「おバカなスパイ」キム・スヒョンが住んでいた十井戸町
このほかにも仁川には、キム・スヒョンが登場した映画のロケ地がある。それは仁川市富平区十井洞の「十井戸町」で、2013年に公開された映画『隠密に偉大に』の舞台になった。同作品が700万人を動員したということで、ここも多くの人々が訪れる観光スポットに生まれ変わった。最近では『星から来たあなた』の大ヒットで、俳優キム・スヒョンの足跡を訪ねる人々が増えているという。
『隠密に偉大に』に登場する十井戸町は人情の厚い温かい町として描かれている。咸峰山の中腹に小さな家が寄り添う町の様子は、近所の家々が仲むつまじく暮らしている韓国の昔ながらの家々を思い起こさせる。
町の所々に温かい色調の壁画が描かれているが、これは廃れていく町をよみがえらせようと、それぞれの分野で活躍する人々が2002年から描き続けているもので、それから10年過ぎた今でも古い町並みに活気を吹き込んでいる。数多くの壁画の中でも『隠密に偉大に』の1シーンを描いた「キム・スヒョン壁画」が一番有名だ。
一方、十井戸町の近くには今年、アジア大会で各競技が行われる「十井競技場」(仁川市富平区十井洞)が完成した。総面積2万6000平方メートル、6階建て(地上4階・地下2階)で、大会期間中はテニスやスカッシュなどの試合が行われる。
今年9月19日から10月4日まで仁川で開催されるアジア大会は「平和の息吹、アジアの未来」をテーマに、仁川アシアード・メインスタジアムや十井競技場などの体育施設で行われる予定だ。