キム・ヒョンス(13)は映画『トガニ 幼き瞳の告発』、ドラマ『根の深い木』『カクシタル』『グッド・ドクター』、そして『星から来たあなた』でも主人公の子どものころを演じている。まさに「人気子役」という言葉がピッタリだ。今演じている少女イファは、宇宙人ト・ミンジュン(キム・スヒョン)に命を助けられて恋に落ちる。「初雪の降る日はうそが許されるのです。あなたが好きです」と告白するシーンのしっかりした演技が視聴者に高く評価されている。
ソウル・江南地区のカフェで先日会ったキム・ヒョンスは気持ちいいほどストレートに答える、さっぱりした性格の中学生だった。「誰かのことを好きになったことがないから、感情を表現するのが難しかったです。お母さんを相手役に練習しましたが、『マダン寡婦(新婚のときに夫を失った女性)』とはどういうことで『烈女碑(貞節を守った女性をたたえる碑)』というものはなぜ建てるのか分からなくて、インターネットで何度も検索しました」
出演シーンのほとんどがト・ミンジュンとの切ない恋に燃える姿なので「親しくなりたいならいつもくっ付いていて」と制作スタッフに注文されるが「二人ともものすごい人見知り」と話す。「キム・スヒョンさんは口数が少ないですが、いろいろ気遣ってくれます。寒い日に撮影があるときはいつも、私の分まで忘れずに使い捨てカイロを持って来てくれます」
2009年に子ども服のモデルとしてデビューしたキム・ヒョンス。犯罪被害者(『トガニ』『ザ・ファイブ』)や、命を失うヒロインの子どものころ(『根の深い木』『カクシタル』)のように悲劇的な役が多い。『星から来たあなた』でも、ト・ミンジュンの代わりに弓で射られて絶命する役だった。それでも出演作の中で真っ先に挙げるのは『トガニ』だ。「子役たちの気持ちが気になる」という話も出た。「同い年の子たちと一緒にいられて良かったです。大人たちが心配するように悪夢を見たりもしませんでした。ずっと演技ができたらいいな…という気持ちを初めて抱きました」
キム・ヒョンスについて、『グッド・ドクター』のキ・ミンス・プロデューサーは「目が澄んでいて、目まぐるしい撮影現場で注文を付けても内容を素早く把握できる、演出家に好かれる子役」と語った。
撮影の空き時間はスマートフォン(多機能携帯電話端末)を見る。最近は脱北者の子どもたちと韓国の子どもたちを結び付けるKBSの友達探し番組『星の友達』の出演者たちとチャットをしている。「フェイスブックやツイッターは?」と聞くと、首を横に振った。「読んでみても『だからどうしたの?』というような書き込みをなぜアップするのか分かりません」。「『モカの種』を韓国に持ち込んでくださった文益漸(ムン・イクチョム)先生、ありがとう」とツイートした同ドラマのヒロイン、チョン・ソンイのことを思い出す(モカの種〈韓国語でモカシ〉と綿の種子〈韓国語でモックァシ〉)を勘違いしたもの)。ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の書き込みが原因で炎上状態になるタレントたちも耳が痛いだろう。