インタビュー:『応答せよ1994』で開花したコ・アラ

インタビュー:『応答せよ1994』で開花したコ・アラ

 デビュー10年目の女優に代表作が1作しかないというのはつらいことだ。代表作がデビュー作ならなおさらだ。2003年、青春ドラマ『四捨五入』でヒロインのイ・オクリム役を演じ、デビューと同時に注目されたコ・アラは同ドラマ以降10年間、これといった成績を残せなかった。作品性のある映画にも出演したし、イメージチェンジも考えて作品を選んだが、ことごとく苦汁をなめてきた。

 そんなコ・アラに一筋の光のようなチャンスが巡ってきた。2013年下半期、花の金曜日に視聴者をテレビの前にくぎ付けにしたドラマ『応答せよ1994』(tvN)で、コ・アラは「神秘的な人形」のイメージを一掃し、気さくな姿を見せた。その結果、キャラクターと一体となったコ・アラは女優人生で最高の好評を得て、ドラマファンにとってはキュートな恋人であり、一緒に遊びたい友人と位置づけられるようになった。

 『応答せよ1994』という作品の中で「コ・アラを壊してみたい」という脚本家イ・ウジョンの一言に、コ・アラは感動したという。グラビアでの「シックな女性」という画一化されたイメージから脱皮し、一味違う魅力を見せられるだろうという期待と、制作陣に対する信頼から、シノプシスも受け取っていない段階ですぐに出演を決めた。特に「おならもしなきゃいけないし、大便もしなきゃいけないが…」という脚本家の言葉に「本当に上手くできる。やらせてほしい」と話すほど、意欲たっぷりだった。しかし、たった一つ、ソン・ナジョン(コ・アラ)がバスケットボール選手の追っ掛け、という設定への理解と共感がいまひとつできず苦労した。

 「私たちの時代はアイドル全盛期だったんですよ。H.O.T、god、Fin.K.L、S.E.Sに熱狂することは体感できましたが、バスケットボール選手とは距離感がありました。脚本家さんが台本に詳しく書いてくださいましたが、課題を解くように図書館でその時代のことを勉強しました。あるときは人口図表まで地域別に見ていました(笑)。経済面から文化面まで隅々まで見たし、特にバスケットボール選手のイ・サンミンさんに関する資料はナジョンと同じくらい、私の部屋にあります」

 コ・アラの研究は作品とキャラクターを理解するだけにとどまらなかった。漫画に登場しそうなボサボサ頭も「バカみたいにキュートな髪型にしてみたい」とシン・ウォノ監督に予め了解を得て、90年代のレイヤー入りショートヘアをカミソリで仕上げるという情熱を見せ、役作りをした。

 コ・アラとソン・ナジョンのシンクロ率は何%だろうか。コ・アラは7対3、あるいは5対5、コ・アラの知人らは8対2でソン・ナジョンと似ていると話した。

 「私はナジョンほどたくさん食べませんが、食べるときはしっかり食べるスタイルなので、その点では似ていました。さしでがましいこと、大人と一緒にいるときナジョンがする行動も似ていました。特に、恋わずらいはたくさんしたので、脚本家の方とかなり話を交わしながら、心を込めて演じました。あ、ナジョンは異性の友だちと気楽に付き合えるじゃないですか。私も男友だちと気楽に付き合うタイプです。問題は、ナジョンも私も好きな人の前では魅力をアピールできないこと。ナジョンもすましたふり、楽なふりをしなければいけないのに、それができないじゃないですか。そういう部分にすごく共感しました」

 「20代を美しく記憶できるように」作られた『応答せよ1994』を離れて、コ・アラは苦楽を共にし、一緒に泣いて笑った共演者、スタッフたちを思い浮かべた。「毎回、それが最後であるかのように涙が出た」作品をこれからは心の片隅にしまい、別れなければならない気持ちが整理できないくらいに。そのようにして、コ・アラは同ドラマと美しい別れをした。もしかすると、女優人生の第2幕がスタートしたコ・アラにとって、一番大切なプレゼントはまさに今、目の前にある時間ということかもしれない。

 「監督が最後のOKのカットをすごく遅く言いました。そのとき、キャストたちは泣いていましたね。全てのスタッフが泣きながら終えることができる作品は、今後もなかなかないと思います。みんなで抱き合い、この世の終わりかのように泣き笑いしながら記念写真を撮りましたが、そのときが一番幸せな瞬間でした。『応答せよ1994』は、楽しさを2倍感じながら撮った作品として記憶に残ると思います。新年の計画ですか。今も見ていますが、シナリオをじっくり読んで、慎重に次回作を決めようと思っています。台本を読んだり、本を読んだりするのが、一番大きな新年の願望であり計画です」

インタビュー:『応答せよ1994』で開花したコ・アラ

◆コ・アラ、グラビアギャラリー

インタビュー:『応答せよ1994』で開花したコ・アラ

チャン・ウンギョン記者
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