『相続人たち』キム・ウビン「スターよりも俳優になりたい」

『相続人たち』キム・ウビン「スターよりも俳優になりたい」

 187センチ・68キロというスマートな体形。反抗しているかのようにつり上がった眉、オオカミ犬を思わせる逆三角形の顔立ち…いや、彼のことを説明するのに一番分かりやすい特徴は「目」だ。クァク・キョンテク監督が「シャープでセクシーだ」と表現して映画への電撃抜てきを決心させた目。「多分、見た目の印象で今年はずっと反抗する男の役にキャスティングされたんでしょうね」。俳優キム・ウビン(本名:キム・ヒョンジュン、24)は笑いながら言った。

 今年、ドラマ『学校2013』(KBS第2)、『王冠をかぶろうとする者、その重さに耐えよ-相続人たち』(以下、『相続人たち』、SBS)、映画『友へ チング2』と立て続けに出演してブレークした。「今年は巳(み)年だったじゃないですか。僕、年男なんです。だから望みがかなうように祈ってきたんですが、全てかないました。一生忘れなられない年になりそうです」。俳優デビューして今年で2年目という新人だが、「ノリに乗っている」と評判だ。脚本家のキム・ウンスクは「(2012年のSBSドラマ)『紳士の品格』の時の演技がすごく良かったので是非もう一度、一緒に仕事をしたいと思っていた」と言ったほどだ。本人は「演じる前に役の人物の一代記を描いてみるんです」と話す。「小説を書くように、誰がいつ、どこで生まれ、どのような過程を経て生きてきたのかを想像しながら、その人物を理解していきます」。『相続人たち』で演じたホテル・ゼウスの後継者ヨンド役はこうして誕生した。

 留年した転校生フンス(『学校2013』)や「父無し子」のヤクザ、ソンフン(『友へ チング2』)など、キム・ウビンが演じた役は乱暴者が多かった。「インパクトが強烈なだけに、とても心配しました。今後安易な演技をしたらすぐにヨンドやフンス、ソンフンに見えてしまうことは目に見えています。作品が変わるたびに別人のように見せたい。難しい宿題ですが、きちんと解いていかなければなりません」

 役とは違い、学生時代は変わり者でもないし、問題児でもなかった。夢もしっかりと持っていた。ファッションモデルになるという夢だ。「母方の親戚がみんな高身長だからか、僕も小さいころから身長が高かったですね。母もファッションが好きだったので、自然とファッションモデルになることを思い描いていました」。高1の時から志望大学を決め、毎年その大学の「ファッションキャンプ」に参加した。体形を整えるためにジャズダンスやバレエを習い、10年にはもっと勉強がしたいと全州大学公演エンターテインメント学科に入り直した。

 モデルだったキム・ウビンに俳優の道を歩ませたのは、演技の先生だったムン・ウォンジュさん(33)だ。「それまでは演技なんて考えたこともありませんでした。ところが、モデルもCM撮影の時など、ある程度の演技力が必要なんです」。10年から遅まきながら演技の勉強を始めた。演じる人物になり切り、自分自身で「100問100答」をしたり、「一代記」を作るのもその時、初めてやったことだ。役になり切るため頭の中で演じる人物を具体化し、それから体ごとぶつかる。『友へ チング2』の撮影時に蔚山方言を身に着けるため、クァク監督が録音してくれたカセットテープを何度も繰り返し聞き、蔚山出身の俳優チョン・スギョ(僧侶役)と同じ部屋で暮らそうと決め込んだのは、その端的な例だ。「何もない状態から学んでいくのが面白いですね。モデルを夢見ていた時のときめきの再来です」

 一日中演技する自分のことを考えているというキム・ウビンの目標は「良い俳優になること」だ。「スターよりも俳優になりたいんです。皆さんが僕の演技を信じてくださった時から俳優になると思います」

 撮影が始まると、1週間一睡もできないことも多いそうだが、体は動きたくてうずうずしているという。「ドラマの時は『これが終わったらまるまる2カ月休みたい』と思うのですが、実際に終わってしまうと寂しいですね。演技がしたいです。また新たな一面をお見せしなくては」

◆キム・ウビン、グラビアギャラリー

チョン・サンヒョク記者
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