一面の雪景色、智異山天王峰に登ろう

 両足がすっぽり埋まるほど積もった雪。その雪を踏みしめて坂道を上ると、どこもかしこも真っ白だ。眼下に見える綿雲までもが完璧な雪景色をつくり出している。ここは、韓国の名山と呼ばれる智異山天王峰(慶尚南道)。

 智異山(標高1915メートル)は1067年12月、韓国で初めて国立公園に指定された。智異山は韓国で2番目に高く、巨大な岩が空を支えるような格好をしている。特に、智異山の最高峰、天王峰の頂上から眺める日の出は「3代にわたり徳を積み重ねなければ見られない」といわれるほど、壮観な光景だ。

智異山の最高峰、天王峰の頂上から眺めた景色。
▲ 智異山の最高峰、天王峰の頂上から眺めた景色。

 季節の移り変わりと共にさまざまな魅力を見せてくれる智異山。その智異山に登るルートは幾つかあるが、天王峰への登山ルートは、中山里コースと白武洞コースの2ルートだけだ。余裕を持って登るのなら中腹にある山小屋で1泊した方がよいが、取材陣は日帰りで智異山に登ってきた。

 日帰りの場合は中山里コースで登る。案内所から、最初の経由地チャントムクまでの5.3キロは、比較的歩きやすい。大きな石が敷き詰められている上、鉄製の階段も設置されているからだ。上の方には爽やかな渓谷があり、登山道のふかふかした土が足取りを軽くしてくれる。

 案内所を出発して2時間ほど過ぎただろうか。下界とは全く異なる世界が広がってきた。暗かった土の道は白い雪道に変わる。道のあちこちにある石は、粉砂糖を振りかけたようだ。足首まで積もっていた雪は、チャントモクという地点まで登るとふくらはぎが埋まる深さになった。

雪国に変わった智異山の景色
▲ 雪国に変わった智異山の景色

 チャントモクには山小屋があり、中には登山客のための休憩スペースや売店がある。売店では軽食や飲み物などが買える。山小屋の前には炊事場があり、ご飯を炊いたり即席ラーメンなどを作ったりして食事ができる。ただし、ごみは全て自分で持ち帰る必要がある。

 しばし休憩し、再び天王峰の頂上に向かって歩き出した。頂上までは1.7キロ、およそ1時間半かかる。さきほどまでの道とは異なり、寂しい枯れ木ばかりが立ち並ぶ。

 枯れ木エリアを通り過ぎて登っていくと、天王峰の頂上に到着する。目の前には真っ白な雪国が広がっている。雪に覆われた智異山の裾野には、まるで絵のような風景が広がる。頂上の石碑の前に立つと、疲れ切った体が自然と癒やされるようだ。

智異山のあちこちに立つ枯れ木も、絵のような風景を演出している。
▲ 智異山のあちこちに立つ枯れ木も、絵のような風景を演出している。

 周囲を見渡すと、はるか遠くまで山脈が連なっている。山々をバックに記念写真を撮れば、一生忘れられない思い出になるだろう。

 下山の際は5.4キロのコースを約3時間半かけて下りてくる。どこの山でも同じだが、冬山に登る際は特別の注意が必要だ。登山服、手袋はもちろん、天候の急変に備えて雨具や上着、ヘッドランプなどを準備すること。また、登山用ストックや軽食なども携行した方がよい。

〈関連情報〉

智異山国立公園・日本語ホームページ:http://japanese.knps.or.kr/

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