古い年に別れを告げ、新しい年を迎える時期になった。この時期になると毎年、誰もが一度は初日の出を拝む旅に思いをはせることだろう。
もちろん、日が昇るのは毎日のことで、それほど珍しいわけではないが、初日の出は旅というよりも年が明ける際の儀式であり、祭りに近い。大勢の人々が初日の出を見ようと夜道を駆け抜けて海や山に向かうのも、そういう理由からだ。
これは韓国も同じだ。韓国人の多くが元旦に初日の出を拝もうと全国各地に旅立つ。中でも初日の出スポットとして最も有名なのが蔚山・艮絶岬だ。この岬は元旦に韓国で一番早く日の出が見られるからだ。
韓国では「蔚山・艮絶岬で日が昇らなければ韓半島(朝鮮半島)の夜が明けない(艮絶旭肇早半島)」と言われるほどの名所で、その初日の出は名声通り壮観だ。
水平線から「オメガ(Ω)」の形に昇る日の出が見られるのは貴重だが、たとえそうでなくても感動できるのは間違いなし。実際、「オメガ形」の日の出は年に何度も見られないため、観光客が見られるのは奇跡に近い。まぶしく光輝く日の出よりも、雲が少し広がった海から昇る日の出の方が美しく映えることもある。
韓国の人気初日の出スポットは蔚山・艮絶岬のほかにも2カ所ある。それは韓国第2の都市・釜山で韓国人にも外国人にも人気があり、観光客でにぎわう海雲台と、韓国最大の国立公園で、韓国人が一番好きな山・智異山だ。
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■釜山・海雲台
海雲台は初日の出を拝んでから釜山市内の旅も楽しめるということで特に若者に人気があり、ほとんどの人々が海雲台海水浴場でその瞬間を迎える。そこから約6キロの松亭海水浴場も日の出の名所ながら、海雲台よりもすいている。砂浜の全長は1.2キロと海雲台に比べ少し短いが、同海水浴場近くには灯台や公園があり、日の出をバックに美しい風景を織りなす。
だが、地元の釜山市民が初日の出を迎える場所は別だ。それは、海雲台海水浴場から松亭海水浴場に行く途中にある月見峠だ。壮大な日の出はもちろん、海雲台とツバキ島、遠くには広安大橋も一望できる。初日の出を拝んだら、歩いて帰る途中でカフェに寄り、温かいコーヒー1杯でゆっくりするのもいい思い出になるだろう。
■慶尚南道・智異山天王峰
3道・5市郡にまたがる智異山は韓国最大規模の国立公園で、年間平均300万-400万人がここを訪れる。「智異山天王峰から初日の出を拝むには3世代にわたり徳を積まなければならない」という言い伝えがあるほど初日の出を見るのは難しいが、それだけに一度拝めば一生忘れられない思い出になる。
■旅行メモ
せっかくの旅を充実させる情報や留意点を。一つ目は、正確な日の出・日の入り時刻を調べておくことだ。韓国天文研究院の公式ホームページや電話(www.kasi.re.kr、042-865-3332)で地域別・日付別の情報が得られる。二つ目に、視界が良いところであること。とにかく高い場所に行こうとするよりも、視野を遮る物がないスポットを探すべきだ。また、美しい日の出・日の入りの写真を撮る時、島・木・灯台など周辺のランドマークも一緒に収めると出来栄えに差が出る。