<インタビュー>イム・グォンテク監督「仁川アジア大会開会式に期待を」

【ソウル聯合ニュース】「今はまだ多くのことを話せませんが、とても面白い開会式になるということは私が保証します」――。

 2014年仁川アジア競技大会の開会式の総監督を担当する韓国映画界の巨匠、イム・グォンテク監督が2日、聯合ニュースのインタビューに応じた。イム監督は、ほかの大会と区別されながらも非常に面白い開会式が繰り広げられるだろうと断言した。式の準備に携わる関係者らが「面白さを追求するあまり大会の意味を逃してしまうのではないか」と冗談を言い合うほどだという。

 開会式の骨組みは固まっている。着想が斬新で、韓国のデジタル技術がどれだけ発展したかを表現する内容になると期待感を示した。

 これまで101作品の映画を演出し、韓国的な情緒を最も美しく表現する監督として名声を確立してきたイム監督は、開会式で韓国文化の個性と独創性を表現することに力を入れている。

 最近の大規模なスポーツ大会の開会式は、開催国の国力をアピールする場でもあった。ダニー・ボイル監督が演出を手掛けた昨年のロンドン五輪の開会式は、英国が産業革命の発祥地で、一時は世界を指揮した国だったことを強調し、自国民に誇りを持ってもらおうと努力した。2010年広州アジア大会の開会式は膨大な資本で豊かな新興国としての中国の勢いを際立たせた。

 一方、イム監督は、無理に国を宣伝したり韓民族の優越さを前面に押し出すのではなく、韓国文化の個性を表現することに注力するとした上で、「既存の開会式とは異なるだろう」と強調した。

 仁川アジア大会の開会式と閉会式には総額230億ウォン(約21億3700万円)の予算が投じられる。広州アジア大会の開会式の5分の1の水準だ。

 イム監督は「多くのお金をかけるからといって良い開会式になるとは限らない。お金で広州アジア大会やロンドン五輪の開会式と肩を並べるレベルにはなれない」と限界を認めた。

 しかし、「限られた予算で準備を進めながらむしろアイデアがあふれ、全く新しいプログラムを作ることができる」と述べ、独創的な開会式になるだろうと期待を寄せた。

 仁川アジア大会組織委員会は最も韓国的な名匠に開会式の演出を任せるため昨年6月にイム監督を総監督に任命した。イム監督は当時の状況について、「突然、通告を受けた」と笑いながら振り返った。

 開会式の準備は、韓国映画「グッドモーニングプレジデント」などを手掛けたチャン・ジン監督とともに進めている。最も韓国的な情緒を描くイム監督と独特なアイデアがあふれるチャン監督が手を組んで開会式を作り上げる予定だ。

 イム監督は1962年に「豆満江よさらば」でデビュー後、「シバジ」(1986年)、「アダダ」(1987年)、「ハラギャティ(波羅羯諦)」(1989年)、「将軍の息子」(1990年)、「風の丘を越えて~西便制」(1993年)、「春香伝」(2000年)、「酔画仙」(2001年)など、韓国映画史に残る作品を手掛けた。2002年に「酔画仙」でカンヌ国際映画祭監督賞を、2005年にベルリン国際映画祭名誉金熊賞を受賞した。

 イム監督は「非常に重要な大会の仕事を受け持ち、まさに熾烈(しれつ)に取り組まなければならないと思っている。チャン監督と私の発想が異なることもあり得るが、個人の趣向にこだわらずにうまく融合させて国のイベントを成功させたい」と抱負を語った。

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