インタビュー:チュウォン、『グッド・ドクター』で得たもの

インタビュー:チュウォン、『グッド・ドクター』で得たもの

 医療ドラマ『グッド・ドクター』(KBS第2)で、自閉傾向の発達障害がある青年から医師に成長するパク・シオンを新しい視点で表現した俳優チュウォンが、「演技の天才」という肩書きを手にした。2010年にドラマ『製パン王キム・タック』でデビューして4年となる現在、同年代の俳優たちに比べ目を見張るほどの成長を見せ、各作品で視聴者に「信頼感を与える俳優」という認識を植え付けた。

 チュウォンが自閉傾向の発達障害があるキャラクターを演じると言ったとき、周囲の人たちは映画『マラソン』のチョ・スンウと『裸足のキボン』のシン・ヒョンジュンがそれぞれ演じたチョウォン、キボンを思い浮かべ「チュウォンは彼らと似たようなキャラクターを演じるんだろうな」と思ったはずだ。しかし、チュウォンが演じたパク・シオンは、これまで描かれてきた自閉児とは明らかに異なっていた。チュウォンが演じたパク・シオンは、眼差しから話し方まで健常者に近かったし、誰よりも温かく愛らしい、「周りによくいる」平凡な人物だった。自閉児に対する世間の偏見をチュウォンという俳優が覆したというわけだ。

 最近、ソウル市江南区ノンヒョン洞で会ったチュウォンも「発達障害のある青年を、視聴者が好感を持てるように表現するのが一番大きな宿題だった」と打ち明けた。役作りに悩んだ分、『グッド・ドクター』を通じて、俳優としていろいろと感じる部分も多かった。

 「『グッド・ドクター』は一人でかなり悩んだ作品。小児外科もそうだし、自閉症、発達障害の青年、サヴァン症候群。与えられたものが本当に多かったため、悩むことが多かったというわけだ。個人的には『いくらきちんと教育を受けても、医師になれるのか』と思った。美術や音楽ならまだしも、『病人が病人を治療できるのか』という疑問がずっとあった。障害の程度がとても重要だったと思う」

 大方の予想に反し、小児外科の医師を夢見るパク・シオンは、激しくまばたきしたり、意志表現をまともにできない発達障害の青年としては描かれなかった。「どこかで見たことがある」と思うようなありふれたキャラクターではなく、まだ取り上げられていない別の自閉児の姿が、チュウォンを通じて知られるようになった。

 「(チュ)サンウクさんも、台本読み合わせのとき、驚いたと言っていた。『マラソン』のチョウォン(チョ・スンウ)や『裸足のキボン』のキボン(シン・ヒョンジュン)のようにすると思っていたのに、まともにセリフを言ったので。僕もそうだったし、皆さんもそう思ったと思う。でも、従来のキャラクターのように演じようとすると、成長する過程が見えないだろうな、と。監督や脚本家からは、シオンの職業は医師だから、『健常者に近い人物として描かなければいけない』と言われた。本当に悩みが多く、撮影は終わらないと思っていたのに、いつの日か終わっていた」

チャン・ウンギョン記者
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