広々とした海の真ん中で力いっぱい泳ぐクジラを目の前で見ることができたら、きっと特別な素晴らしい旅行になるだろう。このように生きたクジラに出会えるユニークな旅行を、身近な韓国・蔚山で楽しむことができる。
韓国南東部に位置する蔚山市の長生浦は、韓国で初めてクジラ文化特別区域に指定された場所だ。長生浦では2009年から漁船に乗って楽しむクジラウォッチングがスタートし、今年からは550トン級のクルーズ船でクジラウォッチングを楽しめるようになった。
クジラウォッチングはクルーズ船で長生浦港を出発し、沿岸部を周遊するコースだ。長生浦港の沖合ではミンククジラをはじめ、マイルカなどに出会え、観光客に人気が高い。
クルーズ船の甲板から船に乗り込むと、船内の座席が見える。座席は指定席ではないため、好きな席に座ればよい。乗り込んだら、クジラ文化解説員の説明と共にクルージングが始まる。
解説員はまず、蔚山のクジラ文化と歴史、クジラの生態について説明してくれる。説明が終わり、クジラがよく見られるスポットに到着すると、解説員は「クジラは哺乳類なので、エラではなく噴気孔を通じて肺で呼吸している。肺の中のガス交換をするために水面に上がってくるが、そのときにクジラを見ることができる」と説明した。
クジラに会えるかどうかは時期によって差があるが、3割ぐらいの確率でクジラが目の前に現れる。だがクジラに会えなかったからといって、クジラ旅行が終わってしまうわけではない。クジラに会えなかった観光客には、クジラ博物館の無料入場券とクジラ生態体験の割引券が配られる。
船着き場のすぐ隣にある生態体験館では、イルカに会うことができる。体験館には4頭のイルカがいて、水槽で尾ひれを振りながら観光客を出迎えてくれる。
イルカが自由に泳ぐ1階の海底トンネルを抜けて2階に上がると、イルカショーが始まる。ショーでは、イルカがトレーナーのジェスチャーに合わせてジャンプしたり、茶目っ気たっぷりなしぐさを見せたりしてくれる。
ショーの会場横には、昔の捕鯨の様子が模型で展示されている。クジラの中で最も大きい体長約33メートルのシロナガスクジラをはじめ、計85種類ものクジラの説明がある。クジラについてもっと知りたくなったら、体験館横のクジラ博物館に行ってみよう。
クジラが韓国近海を回遊するのは春から秋にかけての期間。この時期に蔚山を訪れるなら、是非クジラウォッチングを体験してみてはいかがだろうか。クジラの息遣いを間近で聞きながら、自然の美しさをあらためて感じることができるだろう。
なお、クジラウォッチング用の船は午前11時に出航し、午後1時まで運航する。
■韓国で最も魚の種類が多い水族館「釜山アクアリウム」
釜山市海雲台区には、韓国最大規模の海底テーマ水族館がある。釜山アクアリウムだ。ここでは99のテーマ別水槽、生き物に直接触って観察できる「タッチプール」、およそ280種類3万5000匹の深海魚類など、水中生態系の全てを見ることができる。
実生活では見ることのできない海洋生物を間近で見られるため、観光客に人気が高い。一番の見どころは3500トン級のメーン水槽で、体長3メートルの大型サメが目の前で見られる。
■海の全てが分かる「昌原海洋公園」
慶尚南道昌原市の鎮海区にある「海洋生物テーマパーク」は、海中の神秘的な海洋生物に出会える空間だ。ここには120点以上の魚やサメの剥製などが展示されているほか、130種類以上の節足動物や軟体動物に出会える。
熱帯水族館ではクマノミなど50種類以上の熱帯魚が見られる。ほかにもイルカの声が聞ける体験室や、各種標本やワニ、ウミガメなどの剥製が見られる特別展示室がある。