白く砕け散る波に足を浸し、広い砂浜に恋人の名前を書く。実にロマンチックなシーンだが、真の旅行の達人たちは、もっとユニークな方法で海を楽しむ。時には海の上に泊まると言うのだが…。特別な一夜が過ごせる韓国の代表的な海岸エリア、「釜蔚慶(釜山・蔚山・慶尚南道)」を訪れてみよう。
■ヨットで過ごす特別な時間、慶尚南道統営のヨットペンション
異色の宿泊施設として有名なのが、慶尚南道統営市の「ヨットペンション」。一部の富裕層のものと思われていたヨット文化が、最近では大衆化し、新しい概念のペンション事業に利用されている。
ヨットペンションは個人が経営するケースがほとんどで、大半は規模がさほど大きくはないが、質素でゆとりのある時間を楽しめるというメリットがある。そして、港湾に浮かぶ白いヨットのバックには青い空と海が広がり、想像するだけでも美しい景色を楽しめる。
ペンション前の海では、ヨットを利用したさまざまな体験もできる。ヨットの上で釣りを楽しんだり、風のある日は帆を広げて周辺を航海したりすることもできる。自転車のペダルを利用した足漕ぎヨット、正方形の遊覧ボートなどの変わったヨット体験は、老若男女問わず誰でも容易に楽しめるため、人気が高い。
これでおしまいではない。日が沈んで海に暗闇が訪れたら、6億ウォン(約5400万円)相当の42フィートのクルーズヨットでロマンチックなパーティーが始まる。ヨットの内外にはバーベキュー用のグリルやキッチンがあって料理ができる上、トイレ、寝室、エアコン、コンピューターなどの施設も充実しており、不便なことは何もない。
パーティーが終わったら、星空を見ながら眠りにつく。クルーズヨットの寝室は天井が強化ガラスでできており、空が見えるようになっている。愛する人と一緒にベッドに横になって星を数える…この特別な夜は30万ウォン(約2万7000円)程度で予約でき、閑散期には割引料金が適用される。
■灯台に照らされる美しい夜の海、釜山・加徳島の灯台に宿泊
美しい夜を楽しめる宿泊スポットはほかにもある。釜山の「加徳島灯台」だ。100年以上の歴史を持つこの灯台は、韓国政府が永久保存施設に指定するなど、由緒ある場所だ。
灯台の横には、加徳島灯台100周年を記念した記念館がある。これは記念館であると同時に、加徳島灯台の宿泊施設にもなっている。寝室、キッチン、浴室などあらゆる施設が完備され、床はオンドル(床暖房)になっている。窓の外には加徳島の海が広がり、美しい景色が見られる。
残念ながら、ここは誰でも泊まれるわけではない。加徳島灯台は軍事地域となっており、灯台体験を申し込んだ人のうち、抽選で当たった人だけが宿泊できる。やや面倒ではあるが、美しい景色を見ながらユニークな体験ができ、しかも無料で宿泊できるのだから、迷っているヒマはない。
■韓国で最も早い朝、蔚山・カンジョル岬に宿泊
このほか、蔚山の「カンジョル岬」にある宿泊施設は、韓国で最も早く日の出が見られる名所とされている。「カンジョル岬に日が昇れば韓半島〈朝鮮半島〉の夜が明ける」という言葉があるほどだ。
カンジョル岬の周囲には、ペンションや旅館などの宿泊施設が立ち並ぶ。ここに泊まると、まるで自分の庭のようにカンジョル岬の海岸を楽しめる。カンジョル岬周辺は小ぢんまりとした自然公園のようだ。海岸には粋なベンチが置いてあり、丘の上にはカンジョル岬灯台がそびえ立って美しい風景を演出している。
とりわけカンジョル岬灯台の下にある「ソマン(願いの意)郵便ポスト」は、最近全国的に有名な名物スポットとなった。ただの郵便ポストじゃないか、と言いたくなるが、このポストは特別な点がある。高さ5メートル、幅2.4メートルと韓国で最も大きな超大型ポストなのだ。もちろん本当にはがきを送ることもできる。ここで素敵な写真を撮り、家族や恋人、友人などにはがきを送って、美しい思い出を分かち合ってみてはいかがだろうか。