「検察が不公正な捜査」自殺した人気演出家が意見書

本紙、演出家と弁護士が作成した意見書を入手

「検察が不公正な捜査」自殺した人気演出家が意見書

 今月23日に京畿道城南市盆唐区の簡易宿泊施設で死亡しているのが発見された人気ドラマディレクターのキム・ジョンハクさん(62)=写真=は、死亡する直前「私と(二重契約をめぐる詐欺などを)共謀したと主張する、ドラマ『シンイ-信義-』(SBS)の制作関係者たちとの対質尋問(事件当事者の供述が一致しない場合、両者を相対させて言い分を聞く形の尋問)を行うよう求めたが、検察はこれを黙殺するなど、不公正な捜査を行った」として悔しさを吐露していたことが分かった。

 本紙はキムさんが今月23日に予定されていた逮捕状の審査で、裁判所に提出するため弁護士と共同で作成した70ページ分の「弁護人意見書」を入手した。この意見書は19日、キムさんが自宅を出て、喫茶店などを転々としながら弁護士と一緒に作成したものだった。

 意見書によると、キムさんは捜査に応じるため、中国で行っていたプロジェクトも中断して帰国したが、検察は「海外に逃亡する可能性が高い」として出国禁止の措置を講じた。またキムさんは、検察が「共謀関係にある」と名指しした、ドラマ『シンイ-信義-』の制作関係者3人との対質尋問を行うよう求めたが、全て黙殺された、とつづった。

 キムさんの知人は「検察はキムさんに対し、事情聴取を1回行っただけで逮捕状を請求した。キムさんが望んでいた『共謀者』との対質尋問を全く認めず、まず拘置所に収監しようとしたようだ」と話した。

 だが検察は「そのような事実はない」と主張し、監察を行う予定はないとの意向を示した。ソウル中央地検ハイテク犯罪捜査2部のチョ・ジェヨン部長は25日「捜査を行った当時、キムさんがドラマ出演の見返りとして金品を受け取ったという事実について、第3者との対質尋問を求めたことはない」と語った。

キム・ヒョンウォン記者
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