子犬を抱いた少年が前に座っている。彼のことを映画『隠密に偉大に』のチャン・チョルス監督は「潜在能力という点では、これからの可能性が高い新体操の孫延在(ソン・ヨンジェ)選手に似ている」と説明した。
6月5日に公開され、1週間で420万人という観客を動員し、旋風を巻き起こしている映画『隠密に偉大に』に出演したイ・ヒョヌと会った。感想を聞くと、彼は「もちろん、気分はいいですよ。でも、すごく戸惑っているし、不思議な感じ。何が何だかよく分からなくて」とはにかむように微笑んだ。
劇中、韓国に潜入した北朝鮮の最年少スパイ、リ・ヘジン役を演じたイ・ヒョヌ。ある時は心の温かい美少年の高校生、ある時は鋭い北朝鮮の最精鋭スパイとなり、観客を魅了した彼は、同作の検索ワードランキングでキム・スヒョンを上回る結果を出した。「僕は最近知られるようになったからでしょう。キム・スヒョンさんとパク・ギウンさんのことはもともと知っている方が多いので、僕を見て“あの子は誰?”と多くの方が調べてくださったのだと思います」
大ヒット中の同作への貢献度についても彼は「100のうち20ぐらいですか? 20もないと思います。他の方たちの方がもっと貢献されていると思うので。他の方たちに比べると、僕は自分なりのベストを尽くしただけです」と、謙遜してみせた。
しかし、同作で見せたイ・ヒョヌの姿は、世間の関心の高さが証明したように、存在感を発揮していた。特にワイヤーに吊られて、足の速さを利用したアクションが多かった。「大変というより、むしろ楽しかったです。普段できない経験だったので」と当時を振り返った。
イ・ヒョヌは現在、音楽番組『人気歌謡』(SBS)でIU、ZE:Aのグァンヒとともに司会として活躍中。また、キム・スヒョンとともにバラエティー番組『ランニングマン』(SBS)に出演している。「バラエティーへの意欲ですか? バラエティーは好きですね。拒否して嫌だとか、そういうのはないです。『ランニングマン』は体を使うリアルバラエティーだし、そういう番組が多いじゃないですか。だからむしろ、ラクにできたと思います」
イ・ヒョヌが裏話として明かしたように、前半彼のアクションシーンは後半のアクションのため、セーブした。彼が子役から大人へと成長していきながら、じっくりと世間に見せる姿はチャン・チョルス監督の言葉のように、潜在能力を発揮し続け、ますます期待させる。「以前のイ・ヒョヌと今の自分から感じられる姿は、確かに違うと思います。だからこそ、もっとさまざまな姿をお見せしたいんです」
イメージチェンジ、知名度、好評など今のイ・ヒョヌは同作を通じて、多くのものを得た。彼とってはどうだろうか? 「すごくありがたい作品です。何かを得たというよりは、『隠密に偉大に』を通じて、リ・ヘジンを通じて、僕の新たな始まりを告げることができる作品になると思います」