自然がくれた三つの宝、「蘇莱湿地生態公園」/仁川

 春が過ぎ、夏の訪れを感じる5月中旬、仁川市の蘇莱湿地生態公園まで足を伸ばしてみた。地下鉄の駅から徒歩15分ほどの公園には湿地や干潟、塩田など都会ではなかなか見られない風景があった。

蘇莱塩田では昔ながらの天日塩の作り方が見られる
▲ 蘇莱塩田では昔ながらの天日塩の作り方が見られる

■一つめの宝「蘇莱塩田」

 蘇莱湿地生態公園の一つめの宝物は塩田だ。日本に支配されていた時代に塩田が作られ、1970年代まで全国最大の天日塩生産地だったが、その姿が今も残っている。

 目の前には広さ1万坪(約3万3000平方メートル、サッカー場4面分)、四角く区切られた塩田が広がっていた。一見しただけではどれも同じに見えるが、結晶池(濃い塩水を塩の結晶にする所)の下にある材料によって土板(土)、オンペ板(かめ)、タイル板(タイル)に分かれており、塩の製法の変遷を知ることができる。また、結晶池ごとに水の量や塩の結晶の大きさが異なり、天日塩の生成過程も一目で分かる。

 この塩田では商業生産ではないものの、今でも塩を作っており、来場者に記念品として配ったり、学びの場として活用されたりしている。

蘇莱干潟では中に入って泥の感触が楽しめる
▲ 蘇莱干潟では中に入って泥の感触が楽しめる

■二つめの宝「蘇莱干潟」

 蘇莱湿地生態公園でできる体験は塩田だけではない。公園の隣にある二つめの宝・干潟に行ってみた。ここでははだしになって干潟に入り、泥の感触を楽しむことができる。

 蘇莱生態湿地公園の干潟は潮の干満差が9メートルあるときだけ海水につかるため、貝類はいない。だが、展望デッキの下にある川辺の干潟に入ると、スナガニやトビハゼなどさまざまな生き物に会える。少し沖の方に行けばマガモやアマサギが平和に遊ぶ風景も見られる。

広い湿地と風車が美しい風景を生み出している
▲ 広い湿地と風車が美しい風景を生み出している

■三つめの宝「蘇莱湿地」

 塩田と干潟を体験してから、三つめの宝・広い湿地に向かった。公園に沿って1時間ほどで回れる遊歩道コースがあるので、ゆっくりと楽しむのにピッタリだ。

 広さ4万7000坪(約15万平方メートル)に塩性湿地や淡水湿地などさまざまな種類の湿地が集まっており、それぞれ異なる風景を生み出している。淡水地域にはアシやコガマが群生し、海水と淡水が交わる汽水域では魚の種類が多く、多数の鳥も観察できた。

 特に、高さ7.5メートルの風車が3基ある場所は湿地遊歩道の人気撮影スポットだ。ゆったりと風を受けて回る風車と周辺のアシは特別な道具や機材がなくてもステキな記念写真が撮れる。

蘇莱湿地生態公園展示館には仁川の生態系が学べる展望台もある
▲ 蘇莱湿地生態公園展示館には仁川の生態系が学べる展望台もある

 塩田・干潟・湿地といった自然に関する情報は蘇莱湿地生態展示館が詳しい。干潟を体験する人々のための生態教育施設で、「仁川と湿地ゾーン」「蘇莱干潟ゾーン」「蘇莱塩田ゾーン」に分かれており、映像室・展望台も無料で入場できる。

 仁川市東部公園事業所は11日、蘇莱湿地生態公園と蘇莱浦口を結ぶ工事の完工式を行った。約20億ウォン(約1億8000万円)という今回の事業が完成すると、蘇莱湿地生態公園と既につながっている仁川大公園、蘇莱浦口が一つの生態体験コースとして活用されることになる。

チョソン・ドットコム・メディア取材チーム
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