青い海と空の間に浮かぶ、帆船の形をした巨大な建物。建物の最上階に上がると、西に広がる海の美しさに心を奪われる。目も心もパッと明るくなるこの場所は、慶尚南道昌原市にある「昌原ソーラータワー」の展望台だ。
昌原海洋公園の敷地内にあるこの建物は、高さ136メートルのタワー棟と延べ面積6336平方メートルの展示棟からなる太陽光発電施設だ。建物一体型の太陽光発電システム(BIPV)としては韓国で一番の高さを誇る。
昌原海洋公園は、海に生息する海洋生物や各種の船舶を見学できるスペースとして2005年3月にオープンした。以前は橋がなく、船でアクセスしなければならなかったが、同年10月に仮設のウムジ橋が建設され、アクセスが便利になった。
橋を渡って海洋公園に入ると、正面に「海洋生物テーマパーク」があり、その後方にソーラータワーが見える。「海洋生物テーマパーク」の左側には「海戦史体験館」「軍艦展示館」がある。
最初に、韓国の海戦が年代ごとに一目で分かる「海戦史体験館」を訪れた。名前からも分かるように、ここは体験の場だ。単純な見学だけでなく、さまざまな体験ができるスペースになっている。
体験館の見学を終え、実際の軍艦を利用して作られた「軍艦展示館」へと向かった。この軍艦は「江原艦」で、韓国戦争(朝鮮戦争)に参戦するなど韓国海軍の軍艦として使われていたが、2000年に退役した。
本物の軍艦がそのまま利用されているため、海軍の生活空間や艦砲などの武器、機械室など、戦艦の全てを見ることができる。ただし、来場者が見学しやすいよう、一部が改造されている。
海洋公園の最後は、神秘的な海洋生物に出会える「海洋生物テーマパーク」だ。ここには遊泳生物展示室、底棲(ていせい)生物展示室、体験館、売店などがある。
1階にある遊泳生物展示室には、およそ120種類の魚やサメの剥製などが展示されており、壁面では海の中の環境を演出。展示物は標本や特殊制作による模型などが多いため現実味にはやや欠けるものの、魚や海中生物を理解するには十分だ。
底棲生物展示室では、節足動物、被嚢(ひのう)動物(ホヤなど)、軟体動物、棘皮(きょくひ)動物(ウニなど)といった約130種類の生物が来場者を出迎えてくれる。熱帯水族館には50種類余りの熱帯魚がいるほか、体験館にはイルカの声が聞こえるスペースなどもある。
海洋公園の見学を終えて、ソーラータワーに向かった。このタワーは前述の通り、韓国で最も高い太陽光発電タワーで、今年4月に臨時オープンし、9月には全面オープンを控えている。
このタワーの見どころは、何といっても120メートルの高さにある展望台だ。エレベーターで展望台に上ると、鎮海の海を一望できる。正面には釜山と巨済島を結ぶ巨加大橋、海に点々と浮かぶ小さな島々が見える。
展望台を降りたら、海岸沿いのを歩きながら「ウ島」へ渡ってみるのもよいだろう。この島も以前は船で渡らなければならなかったが、橋が建設され、歩きながら漁村の風景を楽しめるようになった。
昌原海洋公園ではこのように、普段は見られない海中を探検できる上、雲の上を飛ぶような気分も味わえる。今週末は家族で昌原海洋公園に出掛け、特別なひとときを過ごしてみてはいかがだろう。