昌原に世界の記者が集合、環境政策に関心

　「カナダ・バンクーバーよりも公園が多いとは思わなかった。昌原はスタンレー・パークとはまた異なる魅力があり、美しく素晴らしい都市だ」

　19日に昌原市（慶尚南道）の昌原ソーラータワー国際会議場で会ったカナダ人記者のジョナサン氏はこう話した。ジョナサン氏はカナダ紙「バンクーバー・サン」の記者を務めている。

　世界の「目」と「耳」が一堂に会した「2013年世界記者大会」が今月15日から6日間の日程で「グローバルジャーナリズムのコミュニケーションと未来の模索」をテーマに開催され、盛況のうちに幕を閉じた。

　韓国記者協会（パク・チョンリュル会長）が主催した今回のイベントには、国際記者連盟（IFJ）に所属する74カ国・地域の記者107人が参加した。記者たちはソウルを皮切りに水原、大田、順天、昌原を回った。

　18日から2日間の日程で昌原を訪れた記者団は、初日に渡り鳥の飛来地として有名な「注南貯水池」を訪れて湿地帯を見学し、バードウォッチングを楽しんだ。その後、記者団は昌原競輪公団内の自転車文化センターに向かった。ここでは昌原市が無料で貸し出している公営のレンタサイクル「ヌビジャ」に試乗したほか、レンタサイクルの運営システムなどをチェックした。

　「ヌビジャ」は2008年、統合前の昌原市が導入した韓国初のレンタサイクル制度で、環境、エネルギー、健康分野で成果が認められ、11年に国務総理（首相）賞、12年には大統領賞を受賞し全国的に話題となった。

　ヌビジャ運営センター内の監視カメラシステムで、レンタサイクルを利用する市民や管理サービスなどの映像を確認した記者団からは、ヌビジャのシステムや費用などに関する質問が相次いだ。

　同センターに同行したアフガニスタン紙「デイリーアウトルック」の記者、カジム氏は「アフガニスタンでは集落同士の距離が非常に離れているため、自転車文化がない。だが、自転車事業はグリーン都市の象徴として役立つだけでなく、市民の健康増進や自然環境保護にも効果のある素晴らしい政策」と語った。

　見学を終えた記者団は翌19日、昌原ソーラータワー国際会議場で開催された「世界記者大会カンファレンス」に出席した。昌原市のランドマークであるソーラータワーは、韓国最大規模の高さ（136メートル）を誇る太陽光発電施設だ。

　この日の会議は、昌原市の環境都市政策に関するブリーフィングと「デジタルメディア時代、ジャーナリストの役割の変化」に関する討論が行われた。

　まずブリーフィングでは昌原市の環境政策、ヌビジャ、世界射撃選手権大会の招致に関する説明が行われた。ブリーフィングに出席したジャマイカのブライアン記者は「昌原市は難しい環境政策を成功させた。非常に素晴らしい。ジャマイカにこのような自然環境を備える場所があれば、観光収入を目当てにホテルを建てるだろう。だが昌原は環境文化を形成しているという点が興味深い」と語った。

　カンファレンスでは朝日新聞のスギザキ・シンヤ記者、メキシコ紙「レフォルマ」のオリバー・タフィア・クリエル国際部長、オランダ公共放送のプロリス・ハルム氏、ドイツ紙「ディ・ベルト」のトビアス・カイザー氏らが発題者として登壇。デジタル時代の記者に求められる態度や能力などについて討論し、ジャーナリズムの役割と未来について話し合った。

　昌原市の朴完洙（パク・ワンス）市長は歓迎のあいさつで「世界各国が今、政治的・経済的・社会的な全ての面で困難な状況に置かれている。ここに出席されている記者の皆さんは、時代の求めに応じる言論人として常に自国の発展と世界平和、そして世界の人々に希望を与える報道をするために努力してほしい。また、昌原での素晴らしい思い出をいつまでも忘れずに、昌原のことを広く伝えてくださることを期待する」と述べた。