青い海と黄色い菜の花の競演 /慶南・泗川

  曲がりくねった海岸道路の両脇には春を告げる花が咲き乱れている。色とりどりの花に、観光客は目を留めるだけでは事足りず、足を止めている。ここは春の香りいっぱいの慶尚南道泗川市だ。

 今、泗川には春の香りが広がっている。「百聞は一見にしかず」というわけで、訪れた春をこの目で確かめるため、泗川に向かった。

■春の香りいっぱいの「三千浦大橋」

黄色い菜の花が一面に広がる三千浦大橋周辺の風景。
▲ 黄色い菜の花が一面に広がる三千浦大橋周辺の風景。

 泗川で最初に訪れたのは「三千浦大橋」だ。韓国で最も美しい道に選ばれたこの橋は、泗川と南海郡の島々を結ぶ連絡橋で、韓国で初めて島と島を結んだ橋だ。これは閑麗海上国立公園の観光資源を活性化するために建設された。

三千浦大橋の横には、菜の花畑に続く道が整備されている。
▲ 三千浦大橋の横には、菜の花畑に続く道が整備されている。

 今、この場所では三千浦大橋と黄色い菜の花が織り成す美しい景色が見られる。とりわけ草養島から眺める三千浦大橋は幻想的だ。

草養島から見た三千浦大橋。独特の赤いアーチ型が印象的だ。
▲ 草養島から見た三千浦大橋。独特の赤いアーチ型が印象的だ。

 膝の高さまである菜の花の間から見える橋は、まるで欧州のような異国の風景を思わせる。それだけではない。藍色の海、点々と浮かぶ小さな島々は、まるで枚の風景画のようだ。島の間を小さな漁船が行き交う様子を見ていると、心までゆったりとしてくる。

■春いっぱいの「三千浦港」

三千浦港から見た港湾の風景。
▲ 三千浦港から見た港湾の風景。

 春の香りいっぱいの三千浦大橋を巡ったら、次は三千浦港に行ってみよう。藍色の海沿いに、曲がりくねった海岸道路を進むと、三千浦港に到着する。港までの道はドライブコースにもぴったりだが、ゆっくりと散歩を楽しむのもいい。

春の名物料理といわれる「メイタガレイとヨモギのスープ」は、旬の素材で作ったスープだ。
▲ 春の名物料理といわれる「メイタガレイとヨモギのスープ」は、旬の素材で作ったスープだ。

 港の入り口に着くと、早くも海産物のにおいが鼻に飛び込んでくる。入り口横にある水産市場は、泗川を訪れた観光客や商売人たちでいっぱいだ。市場の中に入ると、陳列台が奥まで広がっている。その上にホヤやナマコ、イイダコなどが並び、客を出迎えていた。

深い海の香りとヨモギの香りが感じられる「メイタガレイとヨモギのスープ」はさっぱりした味が特徴だ。
▲ 深い海の香りとヨモギの香りが感じられる「メイタガレイとヨモギのスープ」はさっぱりした味が特徴だ。

 秋がコノシロなら、春はメイタガレイだ。大きさによって食べ方は異なるが、大きいものは刺し身がよく、小さいものは開いて骨ごと食べてもよい。春を存分に感じたいなら「メイタガレイとヨモギのスープ」を食べてみよう。これは名前から分かる通り、メイタガレイとヨモギだけを使った料理だ。二つの食材の組み合わせはどうだろうか。当たり前だが、実際に食べてみなければ味は分からない。

 きれいな白いスープにメイタガレイの身とヨモギが入っていて、口に入れた瞬間に「あ、春だ!」と思わず叫んでしまった。味気がないかと思われたスープは、深い海の香りとヨモギの香りが混じり合い、すっきりとした味わいになっている。

■春の風を満喫する「船津里城」の桜

船津里城に向かう道は、桜のトンネルになっている。
▲ 船津里城に向かう道は、桜のトンネルになっている。

 三千浦周辺を一通り見終わってもまだ名残惜しければ、船津里城を見にいこう。数百本の桜の木が植えてある船津里城は、この時期が最も華やかだ。ここは李舜臣将軍が初めて亀甲船で日本を倒した歴史的な場所としても有名だ。

4月11日から14日まで、船津里城周辺では「臥竜文化祭」が開催された。
▲ 4月11日から14日まで、船津里城周辺では「臥竜文化祭」が開催された。

 4月11日から14日まで、ここ泗川では地元の代表的な春祭り「臥竜文化祭」が開催された。今回の祭りではさまざまな公演や展示、体験コーナーなど7分野49種類にわたる文化体験やプログラムが実施された。

 全国各地で春祭りが始まり、週末を家で過ごすのはもったいない時期になった。春になると何となくウキウキしてくるという人は、泗川に行ってみよう。春の花に海産物―、泗川では「何をしようか」と頭を悩ませる必要はない。ゆっくり歩いてみるだけでも春を全身で満喫することができる。

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