【ソウル聯合ニュース】日本のドラマや小説が原作の韓国ドラマが相次ぎ登場し、懸念と評価の意見が交錯している。
今年に入ってからSBSで「愛なんかいらねえよ、夏」を原作とした「その冬、風が吹く」が放送されたほか、今月からKBSでは「ハケンの品格」をリメークした「職場の神」が放映中だ。6月からはMBCで「女王の教室」のリメーク版の放映がスタートする。
昨年は日本ドラマ「JIN―仁―」「花ざかりの君たちへ」のリメーク版が地上波で放送されたほか、ケーブルテレビでは「プロポーズ大作戦」「ホーリーランド」が原作のドラマが放映された。特に総合編成チャンネル・JTBCでは「親愛なる者へ」「同窓会~ラブ・アゲイン症候群」のほか、秋元康氏の小説「象の背中」が原作のドラマなど日本原作の3本が放映された。
これまでも「やまとなでしこ」「星の金貨」「恋愛時代」「白い巨塔」「花より男子」「結婚できない男」「ドラゴン桜」「イタズラなKiss」など日本のドラマや漫画が原作のドラマが1年に1~2本放映されてきたが、2011年以降は急増している。
その理由について日本社会が韓国より10~20年程度、先行しているほか、生活様式や文化が似ている点、日本で多様なジャンルのコンテンツが発達している点などが指摘されている。また、韓国ではドラマの放送本数が多いうえ、1回当たりの放送時間も60~70分と他の国に比べて長いため、脚本探しに苦労している点も挙げられる。
KBSメディアのチョン・ヘリョン・ドラマ本部長は「ドラマの本数が非常に多く、次々と書いて出さなければならないため、新しいストーリーやしっかりとした創作劇をつくる余力がない」と指摘する。脚本家が創作に費やす時間が十分ではなく、同じようなストーリーが量産されているため、オリジナルよりもすでに原作があるものに活路を見いだすようになったと分析した。
その点、日本は原作の宝庫と言っても過言ではない。出版や趣味の市場が発達しており、小説や漫画などから幅広い分野のストーリーを採用できる。チョン本部長は「韓国人の多くは大学進学と就職という画一化された目標の中で成長し、多様な関心を育てることができない。そのためドラマも愛と欲望という二つのキーワードに集中する」と指摘。「日本は幼い頃から職業と趣味教育が幅広く行われており、それらを素材にした大衆文化コンテンツも自然に増加している」と評価した。韓国ではドラマの原作として使える小説も多くなく、ドラマ化する際に必要なストーリー構成と個性を兼ね備えた作品が少ないと指摘した。
さらに、日本が韓国社会より10年以上先行している点も日本原作ブームの理由として挙げられる。ある脚本家は、核家族化、校内暴力、孤独、フリーター、青年実業家、非正規雇用など現在韓国が直面している問題を日本は10年、20年前に体験しているため、日本ではそれらを扱った作品が定着していると指摘。韓国人が関心を持たざるを得ないと述べた。多様で細分化されたジャンルや現実的な内容がドラマの原作として打ってつけだと評価する。
一方、日本の原作に頼りすぎてオリジナルを創作する力が一層枯渇すると懸念する声もある。あるドラマのプロデューサーは「創作は投資と努力の中から生まれる。脚本家がリメークに手を出すのは残念だ」と述べた。
その半面、韓流ブームで韓国ドラマが日本に大量輸出されたため、今度は日本からアイディアを買うということに対し敏感に反応する必要はないとの声もある。チョン本部長は「日本作品が原作だからと反感を持つのは行き過ぎで国粋的な側面もある」と指摘した。文化交流の面からも一方通行よりは相互の発展を目指すべきであり、日本の原作をリメークすることにも意義があると評価した。