性的暴行:コ・ヨンウクは「行為依存症」

 3年間にわたり10代の未成年者に対し性的暴行・強制わいせつを繰り返した歌手コ・ヨンウク被告は懲役5年の有罪判決に加え、芸能人としては初めて10年間の電子足輪装着命令を受けた。コ被告は昨年12月にソウル市西大門区内で車に乗せた帰宅途中の女子中学生(14)に対する強制わいせつ、10年の少女(当時13歳)に対する自宅での2回に及ぶ性的暴行、別の少女(当時17歳)に対する強制わいせつなどで起訴され、全て有罪判決が出た。

 コ被告の性的暴行・強制わいせつ行為の対象は全員18歳未満の未成年者であることから、同被告はペドフィリア(小児性愛)の患者ではないかとの見方もある。しかし、小児性愛者は13歳以下の小児だけに繰り返し衝動を感じた場合に診断されるため、厳密な意味での小児性愛者と見るには無理がある。

 「イ・インス精神分析クリニック」のイ・インス院長は「コ被告の行動は『行為依存症』に近い」と話す。コ被告が昨年12月に検察の捜査を受けていた際も10代少女に対しわいせつ行為を行ったのは、重度の行為依存症だということを示しているという。

 行為依存症とは、アルコールや薬物のような物質への依存ではなく、ギャンブル・ゲーム・インターネット・セックスのような「行為」に依存している状態のことだ。いわゆるワーカホリック(仕事中毒)や買い物依存症も、広い範囲での行為依存症に当たる。現代医学では依存症を脳の病気の一つと見なしている。特に芸能人や政治家のように、常に他人の視線を気にする立場にあり、自身の感情を振り返るのが難しいと依存症に陥るケースが多いという。

 物質依存症であれ行為依存症であれ、依存症が恐ろしいのは脳の衝動調節機能に障害が生じている状態にあるため、治療が非常に難しいということだ。江南乙支病院依存症センターのチェ・サムウク教授は「依存症で最も重要なのは、問題の有無を迅速に診断し、問題があれば専門的な相談・治療を受けることだ。コ被告は依存症を病気として認識できず、治療の時期を逃してしまったのだろう」と話している。

ナ・ヘラン医学専門記者
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