「換腸(ファンジャン)」。俗っぽい言葉で、人がある対象に夢中になりすぎて、正気でない状態に達するときに使う表現だ。G-DRAGONのコンサート会場の様子を一言で描写するなら、「換腸」だった。
3月30日と31日午後、ソウル・オリンピック公園内の体操競技場で、ワールドツアー「ONE OF KIND」の幕を開けたG-DRAGON。2回公演で動員した約2万6000人のファンも、弾ける彼に熱狂した。
コンサートは新曲「ミチGO」でスタート。スポーツカーに乗ってステージに登場したG-DRAGONは、赤いファンキーなヘアスタイルで視線を一身に集めた。
主人公はやはりG-DRAGONだった。観客を思いのままに操るやり手だった。昨年、BIGBANGのワールドツアーで一段とレベルアップした実力は一味違った。「The Leaders」「Butterfly」「MISSING YOU」「そのXX」「結局」「TODAY」「CRAYON」など16曲を熱唱したG-DRAGONは、自身の曲のように「ファンタスティック・ベイビー」だった。
客席に飛び込んでファンと手を取り合ったり、大きなステージを縦横無尽に駆け回ったり、会場全体を盛り上げた。2NE1とイ・ハイがそれぞれゲストで登場したときを除くと、G-DRAGONと観客は一体になっていた。
しかし、残念な点もあった。YGエンターテインメントの関係者によると、G-DRAGONは30日、風邪がひどく、病院で点滴を受けてからステージに上がったという。彼はのどの調子があまり良くなかった。そのため、曲の一部はAR(All Recorded)が使われ、彼らしくない歌声も時折聞こえた。といっても、失望するほどではなかった。彼はBIGBANGのメンバー、5人で魅せるようなステージを一人で立派に作り上げた。
ステージを終えたG-DRAGONは「これまでアーティストとしても人間としても、かなり成長した。すごく幸せ。皆さんがいつも僕のそばにいてくれるなら、僕もこれまでと変わらず、良い音楽を届けるため、努力していく」とファンにあいさつした。
G-DRAGONは今後、日本、香港、タイ、インドネシア、シンガポール、台湾など8カ国13都市で26公演を開催し、55万人を動員すると見られる。