インタビュー:ファン・ジョンミン、『新世界』撮影秘話を語る

インタビュー:ファン・ジョンミン、『新世界』撮影秘話を語る

 イ・ジョンジェ(39)、チェ・ミンシク(50)、ファン・ジョンミン(42)。映画『新世界』(パク・フンジョン監督)のエンドロールに出てくる名前の順番だ。演技力では優劣つけがたい彼らだが、映画を見ると、この人の演技が胸に突き刺さる。

 犯罪組織ゴールドムーンのナンバー2、ジョンチョンを演じたファン・ジョンミンだ。同作は、「3人の男」の匂いが漂うノワール映画。3人の男が登場する。ヤクザ、警察、そしてその二人の間を行き来するスパイ。イ・ジョンジェを中心に、左にファン・ジョンミン、右にチェ・ミンシクのトライアングルを形成する。

 ファン・ジョンミンが強調したのも、「息」だった。人と人との「調和」。幸い、誰かが劣っていたり目立ったりするということなく、調和を成して、全員が輝くことができたという。しかし、その息が合わずに輝きを放った意外なシーンもある。エレベーターでのアクションシーンだ。

 「殴ったら防御するという流れが決まっていました。正確に練習をして、動きがどんぴしゃでした。リハーサルのとき、どれだけカッコよかったことか。でも、実際撮影に入ったら、靴に血ノリがついたせいで滑ってしまい、呼吸が合わなくなって。その狭い空間で、完全に醜い争いになりました。ハハハ。でも、それが新しい感じがしたんです。けがの功名とでもいうか」

 また、方言や中国語での演技も見どころ。実際の故郷は慶尚南道馬山。全羅道方言は、映画『雲を抜けた月のように』などでも披露したため、言い慣れていて自信があった。問題は中国語だった。ジョンチョンは華僑出身のヤクザ。ゴールドムーン内で、中国の三合会との貿易を主導するなど中国語のせりふがかなりある。ファン・ジョンミンは「中国語は、僕たちの言葉ではなく、四声(4種類のイントネーション)まであり、最初のころはすごくストレスだった」と打ち明けた。

 「中国語は初めてでした。映画でジョンチョンの弁護士として出演した俳優が中国の方なので、すごく助けてもらいました。でも後になって、そんなことに気を遣わず、演技にだけ集中しようと思いました。本当にダメなら、アフレコもあるので。ところが、幸いそこそこ聞けたみたいです。現場で言ったあるせりふが、そのまま使われたんです。意味は今も分からないです。覚えているせりふは一つだけありますね。ジョンチョンがジャソン(イ・ジョンジェ)によく言う言葉です。『対不起(ごめんなさい)チクショー』。ハハハ」

 映画でファン・ジョンミンは口癖のように「ブラザー」という言葉を使う。昨年、同じ時期に公開され、観客数470万人を動員した『犯罪との戦争:悪い奴らの全盛時代』での「生きているね」というせりふぐらい中毒性が強い。劇中のジャソンのように、プレイベートでも強い信頼関係のある「ブラザー」がいるのかと聞いた。ファン・ジョンミンは「チ・ジニなど芸能人野球チームPLAYBOYS(プレイボーイズ)の仲間とチョ・スンウ。僕が愛するブラザーたちです。今回共演したジョンジェ、ミンシクさんも。とても多いです」と幸せな表情を浮かべた。

 映画『新世界』は、それぞれの新世界を夢見る3人の男の物語。ファン・ジョンミンが夢見る「新世界」は意外に素朴だった。「ビキニを着た女性たちであふれた海岸? ヌードビーチだったらなおさらうれしいです」とジョンチョンのように話した。

 「韓国の人たちは、競走馬のように走っていて、一歩後退することを怖がっています。皆がLTE(高速無線通信)です。実は僕も30歳で、映画『ワイキキ・ブラザ-ズ』でデビューしてから10年間、必死に走ってきましたが、40歳になって考えが変わったんです。『ラクに楽しもう!』と決意してから、現場が楽しくなりました。ジョンチョンのように、おだやかになりました。今の年齢でジョンチョンと出会って、本当によかったです。もし30代でこの役を演じていたら、今みたいにいろいろな感じは出なかったと思います」

インタビュー:ファン・ジョンミン、『新世界』撮影秘話を語る

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チェ・ウニョン記者
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