K-POPアイドル、生き残りかけた「脱アイドル化」

今年はアイドルが「変身」に苦心
昨年音楽配信100位以内の新人はたった3人
ユニット・コラボ・演技に活路さぐる
事務所「ファン層拡大のため苦肉の策」
一部に「脱アイドル現象始まった」「いろいろな試みで音楽の質を上げて」との声も

K-POPアイドル、生き残りかけた「脱アイドル化」

 くっついて、離れて、変身して…。アイドル歌手たちは「生き残り」のためもがいている。 「アイドル市場はピークに達し、今や下降に入っている。無限の生存競争が始まったのだ」というのだ。

 最近のアイドルの動きで最も顕著なのはユニット(チーム内の小グループ)活動だ。女性アイドルグループ4minuteは「2YOON」、SISTARは「SISTAR 19」、男性アイドルグループSUPER JUNIORは「SUPER JUNIOR M」、INFINITEは「INFINITE H」というユニットを作り、先月一斉に新曲をリリースした。

 グループの垣根を越えたコラボも盛んだ。SISTARのソユはヒップホップグループGeeksの新曲にフィーチャリングし、A pinkチョン・ウンジはホ・ガクの新曲でデュエットを披露している。THE SEEYAのユジン、C-ClownのKANGJUNなど新人グループのメンバーがグループがポピュラーになる前に一人で別の歌手(Leessang、ALI)のアルバムに参加するケースも登場した。

 「副業」を始めたアイドルも多い。演技もするアイドル、つまり「演技ドル」だ。その筆頭が「国民の妹」ことIU(アイユー)で、KBS週末ドラマの主役に抜てきされた。miss Aスジ、KARAスンヨン、A pinkチョン・ウンジ、BEASTユン・ドゥジュン、MBLAQイジュンも地上波テレビ局のドラマに登場する。新人ガールズグループAOAのソルヒョンとヘジョンは歌手デビューと同時に女優デビューも果たした新しいケースだ。

 一方、5dollsのヒョヨンと天上智喜The Graceのリナは所属グループでの活動がしばらくない中で地上波ドラマに出演、歌手ではなく女優として認知度を上げている。

 このような現象については「飽和状態に達したアイドル市場で何とか名前と顔を売ろうという切迫した状況がもたらしたもの」との見方もある。事実、この1年間にデビューしたアイドルは少なくとも30組以上あるが、総合音楽チャート「gaonチャート」の年末総合音楽配信ランキングで100位以内に入った新人はオーディション番組で準優勝したイ・ハイ、Ailee、JUNIELのソロ女性シンガー3人だけだった。いわゆる「アイドルグループ」は一つもない。アイドルが歌手として生き残ることはそれほど難しくなっているのだ。

 韓国音楽コンテンツ産業協会のチェ・グァンホ事務局長は「投資しているだけに、最大限の収益を上げなければならないと考える芸能プロダクション側としては、なるべく多くの活動をさせて採算を取らざるを得ない。ユニットに分けたりソロ活動をしたりすれば音楽配信収益も上げられるのでは」と語った。

 こうした「サバイバル合戦」が激化するにつれ、アイドルの所属事務所側の悩みも深まっている。昨年、大手芸能プロダクションのマネジメントでデビューした男性アイドルグループの関係者は「これといった成果はなかった。メンバーたちは地道にドラマのオーディションを受けているが、まだ良い結果が出ないので悩んでいる」と話す。INFINITEが所属する事務所の関係者は「グループの将来のためには、現在10代に固定されているファン層を広げるのが生き残りへの道だと判断、メンバーそれぞれが持つコンテンツを最大限に引き出し、ユニット・ソロ・演技活動を展開している。うちだけでなく、ほかのグループも同じ立場なので、今後は競争がますます激しくなるだろう」と語った。

 現在の状況は「避けて通れない生みの苦しみ」という声も多い。「PSY(サイ)やBusker Buskerのように脱アイドル系の音楽の流れを誰がつかむかにより、若いアイドルたちのサバイバルが決まるかもしれない」(ポピュラー音楽評論家イ・ギョンジュン氏)という意見がある一方で、「アイドルたちがいろいろと試みたり努力したりすれば音楽の質が高まり、韓流の影響力が続くきっかけになる可能性もある」(MBC『音楽中心』イ・チョルミン・プロデューサー)という意見もある。

鄭智燮(チョン・ジソプ)記者
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c)Chosunonline.com>
関連ニュース