映画館の利用方法に変化、貸切でプロポーズも

映画館の利用方法に変化、貸切でプロポーズも

 2012年21日午後、ソウル市麻浦区の映画館「ロッテシネマ合井」。映画『レ・ミゼラブル』の上映前に映画とは無関係な映像がスクリーンに映し出された。ある男性が交際2カ月の恋人に「良き夫になる」と誓う映像だった。映像が終わると、実際のこの男性が映画館に登場、客席の女性にプロポーズした。会社員のクォンさん(29)が映画館を借りて行ったプロポーズだ。クォンさんはこの日、全客席103席を借り、恋人に疑われないように職場の同僚や学校の先輩・後輩を駆り出して席を埋めたという。クォンさんは「ほかとは違うプロポーズをいろいろ考えていたところ、映画館でしようと思いついた。結婚相手だけでなく、友人・知人の前で誓うのに最適な場所だった」と語った。

 映画館の利用方法が変わってきている。好きな歌手のコンサートを映画館で生中継で見たり、クォンさんのような特別なイベントの場所として映画館を使ったり…。このため、韓国のシネマコンプレックスではイベントパッケージや映画でないコンテンツを、先を争うようにして企画している。

 ソウル市永登浦区の映画館「CGV永登浦」はJ-POPファンに「聖地」と呼ばれている。ここは昨年から今年初めまで、日本の人気アイドルグループAKB48の総選挙を含む4公演が上映された。毎回客席の80%以上が埋まるなど、大好評だったという。また、今年の年末には浜崎あゆみのカウントダウンコンサートなどを生中継する。日本のイケメン俳優の公演前売りチケットを買ったキム・ジヘさん(23)は「映画館で中継を見ながらペンライトを振って一緒に歌を歌いたい。シートがとても楽で音響設備がいいうえにチケットの値段がリーズナブルなのが長所」と話した。

 映画館で楽しめるのはコンサートだけではない。メガボックスでは「2013ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団ニューイヤーコンサート」を世界で初めて全国8カ所で生中継する。オーストリアで1日午前11時15分から始まる公演を、同日午後7時15分からの休憩時間(20分)も合わせて中継する予定だ。

 映画にほかの企画をプラスしたプログラムも増えている。映画鑑賞後に評論家と観客が語り合う「シネマトーク」や、映画を見た後にメークアップ実演やスキンケア講座を行う「ビューティーシネマ」などだ。CGV広報チームのキム・デヒ次長は「景気が良くないので、お財布に優しい映画館で文化的なニーズを満たす観客が増えている。そのニーズに合わせ映画館も変化していくだろう」と語った。

李永民(イ・ヨンミン)記者
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