「演技もできるアイドル」になるためには?

歌って踊って演技もできるアイドル「演技ドル」の時代へ

「演技もできるアイドル」になるためには?

 『ドラマの帝王』チェ・シウォン(SUPER JUNIOR)、『ポゴシッタ』パク・ユチョン(JYJ)、『私の娘ソヨン』イ・ジョンシン(CNBLUE)…このところ毎週テレビドラマで会える「演技ドル」(演技するアイドル)たちだ。振り返ってみれば『アンニョン!コ・ボンシルさん』(f(x)ルナ)、『太陽を抱く月』(ZE:Aイム・シワン)、『応答せよ1997』(A pinkチョン・ウンジ、INFINITEホヤ)、『棚ぼたのあなた』(CNBLUEカン・ミンヒョク)など、今年放映された多くのドラマに「演技ドル」が出ていた。以前は「大根」と批判されることも多かったが、最近では「演技もいける」という評価が少なくない。どんなアイドルが「演技ドル」になり、どのように養成されるのだろうか。

(1)配役はどのように決まる?

 パク・ユチョンのようなごく少数の「トップ演技ドル」は「オファーが舞い込む作品を見て検討し、出演を決める」レベルだ。だが、新人アイドルたちはオーディションを受けるケースが多い。ドラマ制作会社が「埋もれたダイヤモンドの原石」を見つけようと、歌手マネージャーの経験のあるキャスティング・ディレクターを採用することもある。

 芸能人の中でもアイドルは良くも悪くも話題になるがキャスティングも紆余(うよ)曲折が多い。たとえばガールズグループT-ARAのハム・ウンジョンは『五本の指』に出演が決まっていたが、所属グループ内でいじめ騒動が起きたためか突然、降板させられた。『棚ぼたのあなた』も、ある新人アイドルグループのメンバーの出演が有力だったが、「知名度が低い」としてカン・ミンヒョクになったといわれている。

(2)どんな役を演じる?

 これまではミニシリーズ・ドラマへの出演が好まれてきたが、最近は週末ドラマや時代劇など多様化する傾向にある。主演クラスでない場合は、主演俳優の末娘や子どもの友人など、ストーリー展開に直接的な影響を与えることはないものの視聴者の目にとまるような役が好まれる。ある制作会社関係者は「『演技ドル』のキャスティングを念頭に置いて登場人物を設定することもある」と話している。

(3)どのように指導する?

 「大根」との批判が以前より減ったのは「所属事務所が徹底して訓練しているから」という声が多い。大手芸能プロダクションはたいてい専属の演技コーチを抱えており、中小の芸能プロダクションに所属するアイドル専門の演技コーチも10人前後活動しているという。デビュー前のレッスン生や俳優・女優志望のアイドルたちは週に2回程度、2-4時間ずつコーチから発声・基本の演技動作などを習う。そしてキャスティングが決まると「演技の個人教授」が指導する。「先輩たちにあいさつをする」といったマナー教育も必要だという。「コーチには舞台やミュージカル俳優の出身者が多いため、初めてレッスンを受けるアイドルがオーバーな『舞台演技』をして指摘をされることもある」とのことだ。

(4)出演料はどのくらい?

 普通は1話当たり100万ウォン(約7万6000円)からスタート。まずは役を手にするのが目標の一部アイドルは「ノーギャラ出演」も辞さないというのが実情だ。一方、日本人ファンが多く、版権収入などが期待される数少ない「トップ演技ドル」は1話当たり5000万ウォン(約380万円)までギャラが高騰しているという。ある中堅ドラマ外注制作会社のプロデューサーは「最近オーディションに来るアイドルグループのメンバーたちと話をすると『SUPER JUNIORやBIGBANGのようになれないなら、早く別の道を探したほうがいいでしょうか』と自虐的なことをよく言っている」と教えてくれた。

(5)「演技ドル」の将来は?

 KBSドラマ局のクァク・キウォン・エグゼクティブ・プロデューサーは「『演技ドル』は事実上、新人俳優を供給する唯一の通路的な役割を果たしているが、彼らが俳優として定着するかどうかは様子を見る必要がある」と話す。『太陽を抱く月』を演出したキム・ドフンMBCプロデューサーは「最近の『演技ドル』はテクニック的には非常によくトレーニングされているが、演技に対する切実な姿勢があまり見られず、それ以上は成長がないというケースも多い。舞台やミュージックビデオに出ているためか、一人で鏡を見て練習する『演技ドル』がいるが、まずは鏡をしまわなければならない。演技に対し、姿勢ではなくイメージからアプローチしている限り成長はない」と厳しく指摘した。

鄭智燮(チョン・ジソプ)記者
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