映画が原作の小説や漫画が急増

映画が原作の小説や漫画が急増

 「○○○の同名ベストセラーが原作!」「○○○の人気漫画がついに映画に!」

 これらは映画のポスターなどでよく見かけるコピーだ。他の文化ジャンルを原作として映画を作るのが主流となったためにこのような現象が見られるようになった。しかし最近になって、この流れが「逆転」している。映画が、小説やミュージカル、演劇の原作として多く使われるようになってきたのだ。

 今年、封切られた映画だけでも『ピエタ』『王になった男』『ヨンガシ』『2回の結婚式と1回の葬式』『ドント・クライ・マミー』を書店で見ることができる。もちろんスクリーンではなく紙で。『2回の結婚式と1回の葬式』は漫画に、他の作品は小説になっている。『王になった男』は演劇の舞台でも上演される予定だ。昨年上映された『ワンドゥギ』は小説を映画化したものだったが、映画の成功を受けて今度はミュージカルとしても上演された。2001年の映画『バンジージャンプする』もミュージカルになった。

 映画界の関係者は「成功した映画や、作品性に優れた映画には、出版社や公演企画者側が先に関心を寄せるケースが多い。映画で登場した作品は認知度が高く大衆の関心を集めやすいためだ」と話す。

 『ヨンガシ』『ピエタ』『ドント・クライ・マミー』を出版したカヨン出版社のキム・ソンリョン代表は「映画はメディアの特性上、公開前から長期にわたって宣伝するため、本の販売にもプラスとなる。純粋な文学の場合、有名作家以外は1000-1500部ほどしか売れないが『ヨンガシ』は5000部、『ピエタ』は1万部ほど売れた」と話した。キム代表はさらに「以前も本として出版された映画があったが、今年は韓国映画が多かったため、出版業界でも『原作映画』にかなり関心を持っている」と話した。

 映画配給会社や制作会社側でも、映画が多様なジャンルに活用されることを歓迎している。映画とともに相乗効果をもたらし、マーケティングに役立つというわけだ。『2回の結婚式と1回の葬式』を配給した映画会社のジンジンは「映画公開前に、監督の方から先に作家のパク・ヒジョン先生に漫画化を提案した。パク先生のファン層が厚いため、映画を宣伝する上でプラスの効果をもたらすとみていた」と話した。

 映画界では「今後は映画と他の文化ジャンル間の交流や融合が活発に行われるだろう」と見込んでいる。制作会社リアルライズのキム・ホソン代表は「映画の企画段階で原案をウェブトゥーン(インターネット上で公開する漫画)にし、観客の反応をあらかじめ予想するという作業も行われている。消費者も検証されたコンテンツを求める傾向があるため、ジャンルとは関係なく良いコンテンツは、今後さまざまな方法で活用されるだろう」と話した。

卞熙媛(ピョン・ヒウォン)記者
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