博物館でのど自慢、裁判所でドラマ撮影!?

PR効果期待の公共機関、ほぼ無料でロケ場所を提供
交通規制など支援にも前向き

博物館でのど自慢、裁判所でドラマ撮影!?

 9月3日、釜山市影島区の国立海洋博物館。休館日の月曜日なのに朝早くからテレビ局関係者約100人が集まっていた。午前11時から午後10時まで、バラエティー番組『日曜日が好き』(SBS)の人気コーナー「ランニングマン」のロケが行われたのだ。博物館側は「今年7月9日に開館したばかりなので、知名度を挙げるためオープン前から制作サイドにオファーして実現した。開館100日で入場者数が70万人を突破したのは『ランニングマン』のおかげでもある」と語った。

 公的機関・地方自治団体では今、テレビのバラエティー番組やドラマのロケ地としてテレビに映り、PR効果を得ようというマーケティングが盛んだ。来場者が増えて地域経済に貢献する上、マイナスイメージが払しょくされるなど、さまざまな面で利益があると期待されているからだ。国立海洋博物館は「ランニングマン」だけでなく『KBS全国のど自慢』のロケ地にもなり、先月24日に収録を済ませた。

 人口約2万5000人の慶尚北道軍威郡もこうした「テレビ番組特需」に期待を寄せている。バラエティー番組『ハッピーサンデー』(KBS第2)の人気コーナー「1泊2日」撮影チームは10月28日と11月4日の2回にわたる放送分を、先月19日・20日に中央線花本駅近くの村で収録した。同郡ではロケの間、住民担当職員を現場に常駐させ、撮影の邪魔にならないよう地元の人々の交通を規制した。同郡関係者は「山の景色が美しいので今年だけでテレビ・映画の撮影チーム約10組が撮影を行ったが、全てを合わせても『1泊2日』の方が効果が高そう」と話した。同郡は花本駅に「1泊2日記念撮影ゾーン」を設けるなど、速やかに「後続作業」に入っている。

 裁判所も「威圧的なイメージをなくす良いチャンス」としてドラマの撮影に前向きに協力している。大法院(最高裁に相当)は昨年5月に放送作家・脚本家19人を招待、大法院・ソウル中央地裁・家庭裁判所を見学させたり、裁判官と語り合う時間を設けたりした。大法院関係者は「最近は番組で裁判所のロケが増えるのに伴い『テレビによく登場することによりお堅く威圧的なイメージが変えられるのでは』と、内部でも期待が高まっている」と話している。

 ほとんどの公共機関は制作サイドに無料でロケ地を提供しているという。「ランニングマン」演出のチョ・ヒョジンSBSプロデューサーは「ロケ地選びの重要なポイントは、何よりも面白いシーンを生み出すのにふさわしいかどうか。優れたインフラを持つ公的機関が積極的に招待してくれるのだから、あえて拒む理由はない」と語った。

鄭智燮(チョン・ジソプ)記者
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