JYJジェジュンを説明する言葉は今や「俳優」であり「歌手」だ。今年は歌とともにドラマや映画での演技にも挑戦した。映画デビュー作はコミカルな『ジャッカルが来る』だ。 K-POP歌手として最高の栄誉を手にしたジェジュンの映画デビュー作は、意外にもコメディーだった。多くの人がジェジュンの挑戦に疑問を投げ掛けた。あえてイメージを壊すような演技をしたのはなぜだろうか。
「役のキャラクターを考えるのが重要ですから」
ジェジュンの答えはシンプルだった。まだ今は映画全体を見る目を養っている途中のため、映画の中のキャラクターにだけ集中したということだ。「試写会で映画を見たら、今ひとつのところもたくさんありました。人間的な一面を見せたかったのですが、そういうところはよく出せたと思います」
『ジャッカルが来る』で演じたのは、殺し屋に拉致されるK-POPスター、チェ・ヒョンという役。実際のジェジュンとよく似ている。韓流スターであり、ストーカーのようなファンに悩まされた経験があるからだ。
「家の中に人が侵入してくるという部分は、僕も実際に経験しました。台本を見たとき不思議に思いました。脚本家の先生に会ったとき『僕が経験した出来事をご存じだったんですか』と思わず聞いてしまいました。でも、男性アイドルにパトロンがいるという設定は映画ならではの話でしょう。まさかそんなことが実際にあるでしょうか」
無名の新人時代を経て韓流トップスターになったという役を演じたことで、ジェジュン自身もデビュー当時のことを思い出した。2004年夏から日本でツアーを始め、底辺から少しずつ人気を築き上げてきた。日本のオリコン・ランキングでトップ3に入るという栄光も手にした。そして最近ではドラマや映画にまで活動領域を広げた。
「今、考えると『ああ…! あのころは本当に大変だったなあ…』と独り言が出てしまいます。涙も出てきます。そうした経験を今デビューする後輩たちと共有したいと思うときもあります。努力の結果がどのように出るか知ることは大切ですから」
ジェジュンは所属グループJYJのジュンスやユチョンと一緒にかなえたい夢を持っている。アジアから世界に向かう夢だ。すでに欧州や南米でファンと対面した。英語でワールドワイド・リリース・アルバムも出した。そして今、米ビルボードのランキングへの正式挑戦も目前にしている。
「PSY(サイ)先輩にとても感謝しています。世界市場への道を切り開いてくださったのですから。道を切り開くというのは一番大変なことです。それに、ときどきうらやましくも思います。PSY先輩は本当に大きなことをやり遂げたので、次に出る人はそれを超えられるだろうか、とも思ったり…。文字通り『越えられない壁』になったのです」
ジェジュンは自分自身やJYJならではのカラーをもっと強く出せるよう努力するという。歌手であれ俳優であれ、自分だけのカラーを持つべきだと思っているのだ。
「イメージを壊すような役をしたということが映画のプロモーションのキーポイントです。ファンが心配するのではとも思いましたが、逆に励ましてくださる人の方が多かったです。そのおかげで今の僕があるのですから」。ジェジュンはそう言って、とびきりの笑顔を見せた。