5人でも足りなければ6人だ。12月に京畿道城南アートセンターで再演されるミュージカル『CATCH ME IF YOU CAN』(エム・ミュージカル・アート制作)の主人公フランク役は、何と6人が交代で務めるという。3月の初演時は「クイントゥプル(5人)」キャストだったが、そこにさらに1人増え「セクストゥプル(6人)」にキャストになった。初演の5人から1人抜けたが、ミュージカル俳優のオム・ギジュン、SUPER JUNIORのキュヒョン、SHINeeのキー、俳優パク・クァンヒョンら初演時からのキャスト4人に、ZE:Aのキム・ドンジュン、BEASTのソン・ドンウンが加わって6人ということだ。
6人に増えたのは、アイドルたちが忙しいからだ。スケジュールがタイトで、5人のうち1人も舞台に立てない日があった。これを埋めるには「増員」が必要だ。6月の『兄弟は勇敢だった』(PMCプロダクション制作)では一つの役に4人がキャスティングされたが、その全員が出られない上演日が生じ、開幕1週目の土曜日に上演できないという異例の事態が起きてしまった。
異例の複数キャストは5人のときから問題視されていた。「5人だとけいこを5倍しなければならず、アンサンブルの疲労が深刻」「各上演回で作品性が保てるのか」というのが主な批判だ。しかし、業界では「ショービジネスであるミュージカルの厳しい現実が反映された結果」という声も少なくない。新規客の流入が統計上、証明されているからだ。『CATCH ME IF YOU CAN』初演時はアイドル目当てに集まった日本人・中国人客が約2万人も入場した。単独作品としては最大規模の外国人客数だ。ミュージカル『光化門恋歌』『西便制』などを手掛けた演出家イ・ジナ氏は「観客の希望から生まれた現象のため、非難ばかりするのは適切ではない」と話す。ミュージカル『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』を制作した「ショー・ノート」のソン・ハンセム取締役は「K-POPの流行で広がった東アジア市場を狙うという戦略的な面もある」と語った。