インタビュー:イ・ジュンギ「自分を壊し続けたい」

インタビュー:イ・ジュンギ「自分を壊し続けたい」

 俳優イ・ジュンギ(30)。彼は時代劇と縁が深い。イ・ジュンギは2005年、映画『王の男』で有名になった。人生の第2幕も時代劇とともにスタートした。

 イ・ジュンギは軍除隊後の復帰作も、ファンタジー時代劇『アラン使道伝(サトデン)』(MBC)を選び、最近撮影を終えた。仮想の歴史の中で、主に時間をさかのぼって生きてきた俳優。イケメンのイ・ジュンギによって男の未来が描かれることはなかなかない。現実の時間のように変わっていかなければ、俳優としても長続きできないものだ。

 しかし、イ・ジュンギは「ずっと自分を壊そうとしている」と話した。「『王の男』が終わってから、しばらく中性的な役のオファーばかりがきた。でも、『犬とオオカミの時間』でその壁を壊した。皆は“イ・ジュンギにアクションヒーロー物ができるの?”と疑っていたけれど『イルジメ〔一枝梅〕』でまた違う姿をお見せできたと思う。もちろん、僕も怖い。疑心暗鬼になることもある。でも、この先ずっと新しいことにぶつかり、壊れるつもり」としっかり先を見据えていた。

 『アラン使道伝』:除隊後の復帰作なので、プレッシャーが大きかった。満足半分、心残り半分。アラン伝説(韓国の民話)をモチーフにした韓国型ファンタジー時代劇で、チャレンジという面では満足。撮影しながら欲も出た。切実さを感じていたときに出会った難解な課題だったし、きわどい綱渡りのような作品だった。劇中、(イ・ジュンギが演じた)ウノは溶鉱炉のようなキャラクターだった。アクションはもちろん、ロマンス、心にしみる慕情や世の中への無関心さなどいろいろな面を持ち合わせているキャラクターだった。俳優としてまた違う演技への原動力になった。ただ、甘いロマンスを期待していたが、事件中心に見られているので、そうできなかったのが残念。

 シン・ミナ:刺激になる女優。傲慢(ごうまん)で派手だと思っていたけれど、一緒に仕事をしてみると、演技への欲が深かった。演技に自信もあるし。ずっと意見交換をしながら、助け合った。おかげで、二人のロマンスは自然だったと思う。

 チャン・グンソク:(日本での活動、中性的なイメージ、自由奔放さなどイ・ジュンギとチャン・グンソクはやたらと比較されるが)個人的にはチャン・グンソクの活動を見ながら、いろいろ勉強している。作品で共演したら刺激を与えることができると思うし、相乗効果を出すこともできそうだという期待感もある。それはチャン・グンソクだけではない。ソン・ジュンギ、ユ・アイン、キム・スヒョン、イ・ミンホなど20代の俳優の堂々とした歩みが、僕の緊張感を持続させている。見ている人たちは幸せだけど、僕は不安(笑)。

 軍:時間の大切さを感じた。関心の大切さも学んだし。統制された受け身の生活を2年にわたり送るうちに、自然に自分を振り返るようになった。これまで自分一人だけが満足して生きてきたんだと気付いた。「作品の撮影現場を離れたら、何もない」ということもつくづく感じた。だから除隊後、多くの作品に出演しなければならないと決心した。ためらわずにやろうと思う。ただ、除隊したので、芸能人としての心配事も増えた。「おじさん」と呼ばれること。だから除隊後は肌のケアにそれなりに気を遣った。『アラン使道伝』で、母親役を演じたカン・ムニョン先輩が童顔なので心配したが、幸い「悪質な書き込み」はなかった(笑)。

 20代:死んでも忘れられないし、覚えていたい時間。イ・ジュンギを作ってくれた時間だから。幸せだったけど、紆余(うよ)曲折も多かった。『王の男』が終わり、1、2年ほどは「俺って本当にイケてたな」と思いながら過ごした。「礼儀」もなかったし(笑)。そうして天狗になったら、自分がなりたかった俳優の理想像とはかなりかけ離れていった。周りも僕から離れていったし、敬遠された。自分でも、自分がよくなかったと思う。追い出された気分だった。周りの人からすら愛されない人間なのに、そんな人がどうやって多くの人に感動と愛を与えることができるのか。孤独になると、自分を振り返るじゃないですか。そのとき、僕は気を引き締めた。忘れられていたその危機が今はありがたい。

インタビュー:イ・ジュンギ「自分を壊し続けたい」

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ヤン・スンジュン記者
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