KBSは先月18日、タイトル表記がハングル正書法に合っていないとして物議を醸していたドラマ『世界のどこにもいない優しい男』(以下『優しい男』)をめぐり、意図的に誤ったつづりを用いていた「優しい男(韓国語表記:チャカン・ナムジャ)」の部分を、最終的に語法に合ったつづりに変更することを決めた。今回の騒動は、公営放送までもが韓国語の正書法を無視するという発想をしたという点で多くの課題を投げ掛けた。1日に数千件単位で掲載されるインターネット記事は、読者の目を引くために刺激的な言葉を組み合わせている。また、個人同士では、短い携帯電話メールに多くの内容を込めるために言葉を短縮することが日常化している。今回の出来事はそのような事態を反映しているのではないだろうか。
インターネットでさまざまな形に短縮・変形された言葉は、私たちの日常生活に深く入り込んでいる。就職活動生たちのあるインターネットカフェの名前(就職ポゲギ)に由来する「ポゲギ(完全征服、粉砕などの意の新語)」という単語は昨年、ある市民団体の主張を表す「FTA毒素条項ポゲギ」に引用され、今年4月の総選挙に出馬したソン・スジョ候補(釜山・沙上選挙区)は「3000万ウォン(約210万円)で選挙ポゲギ」というスローガンを掲げて関心を集めた。しかし辞書にもなく、方言でもないこの単語の意味を正確に理解している人はそれほど多くなかった。
携帯電話メールやインターネットの書き込みなどで、虚脱した心理状態を表現する「ホル」という単語は、映画『ウンギョ』で、これを知る世代と知らない世代を分ける象徴として使用された。最近は幼い子どもたちまでこの言葉を使うが、中高年層では意味を知らない人も多かった。主婦のソ・ユンジュさん(38)は「インターネットを知らない6歳の子どもが「ホル」という言葉を幼稚園で聞いてきて使っているので驚いた」と話した。俗語という感覚が強い「ティッタマ(陰口)」に由来する「ティッタムファ(「後ろ+談話」という意味)」は、登場から10年以上を経て「陰口」「悪口」といった意味で定着した。しかしもともと俗語だったという印象が強いため、新聞や放送でこの言葉が用いられることに違和感を覚える人も依然として多い。アルバイトを短縮した「アルバ」の場合は、すでに短縮語が元の単語に置き換わったといえるだろう。