John-Hoon(キム・ジョンフン)が7年ぶりに歌手として帰ってきた。
2005年にUN解散後、海外活動に専念してきたJohn-Hoon。2009年に軍入隊し、2011年に除隊してからは『ロマンスが必要』(tvN)、『おバカなママ』(SBS)など俳優活動に打ち込んできた。日本でアルバムをリリースしたことはあったものの、韓国でニューアルバムを披露するのは7年ぶり。歌手としてのブランクが長くなった理由は何だろうか? 「UNの活動が終わり、ドラマ撮影を終えてからすぐに外国へ行った。契約問題もあり、法的には解決したけど、いくつか複雑な問題があった。マネジャーを1人つけ、日本と中国で一人で仕事をした」
事務所独立は思ったよりも簡単ではなかった。「UNで活動をしていたときは、何も分かっていなかった。言われるがままにやっていた。外国に行けば、ある程度は分かると思って活動を始めたけど、相変わらず分からないままだと思った。自分一人で孤軍奮闘していた時期だった。個人的にも一番つらい時期だった。アルバムを作る余裕がなかった。個人的に事情もあったし、摩擦もあった」
John-Hoonは高校時代、晋州地域で修能(大学修学能力検定試験、日本のセンター試験に相当)の模擬試験で1位となり、ソウル大学歯学科にも在学していた秀才。芸能界を離れたいのなら、いくらでも違う道を選択できる能力がある。一人で精神的に追い込まれていた時期、復学したいとは思わなかったのだろうか? 「韓国の最高の大学で、そこで学問を専攻されている方々はすごい。尊敬する。でも、後悔はまったくしていない。自分とは合わない道だった。子どものころの夢だった物理学者や宇宙航空、数学方面に行ったとしても、満足することはなかったと思う。好きではないことをしていたら、心に隔たりが生じ、つらかったと思う」
さまざまな困難に直面し、心構えもかなり変わった。「下ろしたという表現をよく使うが、淡々とした気持ちになり、自由になったと思う。昔は会社の立場もあったので、覆い隠そうとしていた。年も年だし、外国でいろいろと経験し、特に軍隊でたくさん考えた。自分探しをするようになった。隠すこともないし、誰かに隠されるのも嫌い」
「完璧な男」から、「正直な男」として帰ってきた。その気持ちをリメークアルバム「僕の物語」で表現した。リード曲「一人だけのための心」はJohn-Hoonが一番好きで、長い間聴いてきた曲。原曲の雰囲気を最大限生かそうとアレンジを控えた。チョ・ソンモがリメークし、話題を集めた「カシナム(いばら)」は個人的に愛着のある曲だという。痛みや怒り、自我省察が複合的につづられた歌詞が心をとらえた。その感じが好きで、やはりアレンジを控えた。「編曲はあまりしなかった。原曲者に対する部分も考えなければならないし、何か違う表現をしなければならないというプレッシャーもある。ファンとしてはすごく心配になる」
久しぶりにリリースしたアルバムということもあって、来年初めまでは歌手活動に専念する。まずは、先月日本・仙台から始まった日本ツアーを行う。11月には中国でアルバムをリリースし、公演も開催。12月8日には韓国でも公演を開催し、その後、俳優活動を展開する予定だ。「初めて『宮-Love in Palace-』(MBC)を撮ったときは大根芝居だった。何が何だか分からなかった。まだ演技は勉強している段階だけど、ほかの人の人生で自分を探していく作業がすごく楽しい。一番やってみたい役は“プライドは持っているニート”。実は、家では髪も洗わないタイプ。それをカメラの前でやってみたい。自分の中にあるものを引き出して表現したいという
欲が沸いてきた」
休む暇もなく忙しく活動を続けている。それでも、30代に入ったのだから、そろそろ結婚のことも考えなければならないのではないか? 「20代前半に恋愛をしたけど、中盤からは変わってきた。本当に好きだった人がいて、そのときに感情を全部使ってしまった。それ以降、充電ができていない感じがする。以前はいつもさびしかったけど、最近はそのさびしさを楽しみたい。結婚はおろか、恋愛すら今は考えていない」