ドラマ『ラブレイン』で70年代の派手なイケメン、イ・ドンウクと、2012年のハンサムな医師イ・ソンホと、正反対の魅力を持つ一人二役を演じ、主演のチャン・グンソク、ユナ(少女時代)と共演し、注目を集めたキム・シフ。映画『サニー 永遠の仲間たち』『マイウェイ 12,000キロの真実』などの映画でもその演技を評価され、注目度上昇中のキム・シフにインタビューした。
―いつ頃から俳優になろうと思ったのか、俳優になったきっかけを教えてください。
「まず、僕は7歳の時にデビューしました。子どもの頃から、ずっと俳優になりたいと思っていたんです。その理由は、子どもの頃から母と一緒にドラマを見るのが好きだったからです。一緒にドラマを見て、うれしさとか悲しさを一緒に感じたことが大きな刺激となり、自分も多くの人に感動を与えられるようになりたいと思いました」
―子役のイメージを脱したかったという思いがあったそうですが、俳優として自信を持てるようになったのはどの作品からですか。
「いかに子役俳優のイメージを払しょくするかということよりも、自分の年齢に合ったイメージを引き出すことを心掛けていました。なので、どの作品でも役に忠実だったと思います。俳優として自信を持てるようになったのは、『殴打誘発者たち』(2006年公開のハン・ソッキュ主演の映画)という映画に出演したときです。この作品を撮影している間、いろんなことを吸収できました。自分で考え、自分が感じたように演技をする努力をしました。その時に、俳優としての自信が芽生えたような気がします」
―これまで共演した俳優さんの中で、影響を受けた方はいますか。
「先ほどお話しした『殴打誘発者たち』で、イ・ムンシクさんと共演しました。イ・ムンシクさんは、台本にたくさん書き込みをするんです。役作りやストーリーの分析など、徹底的に準備される方なんだなと思い、とても勉強になりました」
―『ラブレイン』では韓流スターのチャン・グンソクさん、ユナさんとの共演でしたが、共演した感想は。
「みんな同じ年頃なので、いつもみんなといて楽しかったです。まるでキャンパスライフを楽しんでいるような雰囲気で…。最初に3人で歌を歌うシーンもありましたがそれも楽しくて、公園でギターを弾いたり、昔の歌を聴いたりしたことも楽しかったし…ホントに楽しい思い出ばかりですね」
―イ・ドンウクとイ・ソンホの2役を演じたわけですが、演じ分けで難しかったことは。
「70年代のドンウクは遊び人で積極的で、ものをはっきり言う性格で、自分とは違うタイプだったので、最初少し悩みましたが、チャン・グンソクさんにはいいアドバイスをもらって、ありがたかったですね。逆に、ソンホは自分に似た性格で、楽に演技できたように思います。違う性格の二つの役をひとつのドラマでできたことは勉強になったし、楽しかったです」
―日本進出するにあたって、事務所の先輩であるチャン・ドンゴンさんやヒョンビンさんからアドバイスはありましたか。
「『いつも一生懸命にやるように』とアドバイスしてくれています。先輩たちからは、何かにつけ、たくさんのことを教えていただいています」
―10代に見えるほど童顔ですが、「もう学生の役はやりたくない」とか、「こんな役がやりたい」といった希望はありますか。
「ありがとうございます(日本語・笑)。役に関しては、選り好みはしないタイプです。ただ、ただ、もっと演技の幅を広げたいと思っています。これまでは好青年のイメージが強い役が多かったので、もう少し男性的でワイルドな役もやってみたいですね」
―俳優以外にも、やりたいことがありますか。
「チャンスがあれば、何でも挑戦したいです。まだ若いので、いろんなことをやってみたいです」
―歌手とか?
「ぜひ、やってみたいです。自信があるからというよりは、やってみたいからというだけですが(笑)」
―趣味や、最近ハマっていることはありますか。
「趣味というか…最近は日本語の勉強をしています。歌にも関心が出てきたので、実は、ボーカルトレーニングも受けています」
―ところで、日本にいらっしゃったのは初めてだとか。
「初めて来ました。海外に出ること自体が初めてなんです」
―日本の雰囲気はどうですか。
「最初に不思議に感じたのが、車線が逆だということです。びっくりしました。それから、おそばとトンカツを食べました。実は、日本に来る直前まで胃がもたれていたのですが、おいしくていっぱい食べちゃいました(笑)」
―日本のファンの印象は。
「まず、とてもありがたく感じています。今日はたくさんの方々に来ていただけてうれしく、本当に感謝しています。ですが、皆さんのことをもっと楽しませたいとも思っているので、少し申し訳なくも感じています。機会さえいただければ、いつでも来て、ファンの方ともっと交流したいです。よろしくお願いします!」
現在24歳のキム・シフは、子役から長い芸歴を持つが、新人のようなピュアな雰囲気を今でも持ち続けている。かわいい少年イメージを無理に変えるのではなく、自然に一歩ずつ積み重ねることで、成長を見せてくれる俳優だと感じられた。次回作を検討中というキム・シフだが、次の作品で今度はどんな姿を見せてくれるのか、楽しみだ。