「連日ストップ高」。俳優チュウォンの最近の活躍に、これ以上ピッタリの表現があるだろうか。作品に出るたびにヒットする。助演から主演への試験台だった作品でさえ視聴率1位になり、自ら芝居を引っ張っていける俳優だということを証明した。デビュー作『製パン王キム・タック』は最高視聴率45%を超え、『烏鵲橋の兄弟たち』は最高視聴率36%を記録した。そして最新作『カクシタル』も22%を上回り、同時間帯地上波テレビ局1位になった。
■成長
目を見張るべき成長だ。チュウォンの絶頂は今ではない。さらに「伸び代(しろ)」があり、将来が期待されている。「いつも少しずつ成長しているようです」。チュウォンは作品に取り組むたび「ほんの少しの成長」を望んでいる。
「作品に出るたび、共演のベテラン俳優の皆さんや先輩たちから学ぶことがいろいろあると感じます。『製パン王キム・タック』が撮影システムに慣れる時期だとしたら、『烏鵲橋の兄弟たち』では力を入れ過ぎずに演じる方法を学びました。映画『特捜本』のときはチョン・ジニョン先輩、ソン・ドンイル先輩を見ながら、タイプは違っても素晴らしい表現ができるんだなあ、と感じました」
先輩たちの演技はチュウォンが成長する糧になった。『カクシタル』のイ・ガント役もそれが大きい。「イ・ガントはコントロールしてはいけないキャラクターでした。ありのままを表現するため、できるだけ飾らずに役に入り込もうとしました」。役に合わせた演技の変化で、チュウォンはまた成長したのだ。
■気配り
「自分には何かが足りないと思っているところが長所だと思います」。「数字が稼げる俳優」チュウォンは謙遜(けんそん)する。口先だけの言葉ではない。作品中のチュウォンは1人だけで輝いているのではない。いつも周りのみんなと一緒に輝いている。共演したユン・シユン、AFTERSCHOOLユイ、パク・ギウンらとの息はピッタリだった。「ほかの俳優を輝かせる俳優」と言えるだろう。
「僕は欲がありません。小さいころから両親にこう言われて育ちました。『欲張ったらその瞬間、うまくいっていたこともうまくいかなくなる』。相手が輝くとしたら、これがその理由だと思います。僕が輝けるのは台本がそうなっているからです。わざわざほかの俳優の部分まで欲張って奪う必要があるでしょうか。先輩方がちょっと気合いを入れれば、僕なんて見えなくなってしまいますから」
■かわいがられるタイプ
チュウォンは演技だけではない。国民的バラエティー番組『ハッピーサンデー』の「1泊2日」コーナー(KBS第2)も、チュウォンの魅力がかいま見られる時間だ。チュウォンが俳優の看板を下げ、気さくな素のチュウォンに戻るときでもある。チュウォンは「ドラマで見せる姿はかなり活発な面。『1泊2日』ではちょっと大人しい」と言って笑った。「1泊2日」でのチュウォンについて、視聴者は「年上ににかわいがられるタイプ」と言う。「先輩方のことが好きだし、もともと家でそういう風に育ってきたからか、地の性格も年上にかわいがられるタイプです。実生活でも兄が1人いますし」
チュウォンは同コーナー「シーズン1」に出ていた俳優・歌手のイ・スンギとよく比べられる。レギュラーメンバーで一番年下だが一番人気で、演技・歌・バラエティーをこなすマルチタレントだからだ。だが、本人は「全然違いますよ」と言って首を横に振った。
「イ・スンギ君は何でもすごく上手。バラエティーも司会も全部上手じゃないですか。僕なんか比べものになりません。司会はまだまだです。バラエティーも『1泊2日』だから何とかなっているんです。キャラクターも全然違うでしょ。でも、いつかはマルチタレントになりたいですね」