インタビュー:チェ・ダニエル、演技論を語る

インタビュー:チェ・ダニエル、演技論を語る

 長身でソフトな笑顔が印象的な俳優チェ・ダニエル(26)。同年代の俳優に比べ成熟した演技で多くのファンを抱えている。2009年に放送されたシチュエーション・コメディー『明日に向かってハイキック』(MBC)で注目されて以来、休むことなく活動を続けている。さまざまなドラマや映画で多くの俳優と共演した。『明日に向かってハイキック』ではユン・シユン、ファン・ジョンウム、シン・セギョンと、映画『シラノ恋愛操作団』ではオム・テウン、イ・ミンジョン、パク・シネと、ドラマ『童顔美女』ではチャン・ナラと共演した。

 ところがチェ・ダニエルは、実は芸能界には友だちがほとんどいないという。なぜだろうか。

 「お酒も飲めないし、遊ぶときは思い切り遊ぶけど、人見知りをする。もちろん、撮影現場では僕から声を掛けたりしている。仕事のときは僕から近づいてフランクに振る舞った方が、お互い気が楽になるではないか。気まずいシーンがあっても、気兼ねない仲なら自信が持てるから。でも撮影が終わると、お互い違う作品に入って忙しくなり、3カ月後ぐらいに『元気?』とあいさつするくらいの関係になるため、親しくなるのは難しい」

 「普段は高校時代の友だちと会ってゲームをしたり、ビリヤードをしたりする」というチェ・ダニエルは「芸能人ではなく、普通の人間として自分の人生を歩むことも重要で、あきらめてはいけないと思う。だから、もともと早く結婚したいと思っていた」と話した。

 「結婚をして父親になると、その年齢なりの悩みがあるではないか。でも、僕が芸能界に自分の人生の比重を置いていると、後で(芸能人ではなく)一般的な生活をする息子に話してあげられることがないではないか。だから早く結婚したいと思っていた」

 チェ・ダニエルは映画『共謀者たち』に出演した。共演者はイム・チャンジョン、オ・ダルス、チョ・ユニら。韓国と中国を行き交う旅客船で、旅行者の臓器を摘出する犯罪集団の物語を描いた作品だ。チェ・ダニエルは妻を失った夫サンホ役を演じた。

 チェ・ダニエルはこの映画の魅力として「意外性」を挙げた。「イム・チャンジョンさんのひたむきな演技と、オ・ダルス先輩のベッドシーンは、観客の立場からすると“意外”ではないか。チョ・ユニさんも、ドラマ『棚ぼたのあなた』とは全く違う姿を披露したし。また、ドンデン返しのあるストーリーと、二重人格的な自分のキャラクターも『意外性』があると思う」

 チェ・ダニエルは「メディア試写会で自分の出演シーンを見ると、いまだに恥ずかしくて、裸にされた気がする。最初は俳優になりたくもなかったし、俳優になるつもりもなかった」と話した。

 「(俳優は)アルバイトの一つだと思っていた。生きるための稼ぎの手段、というくらい。でもある瞬間、演技に真摯(しんし)に向き合おうと思った。ある人が『演技はこうしなければいけない』と言ったとき『なぜそうしなければいけないのか。違うように演じたらダメなのか』と思った。それを立証したいと思い、型にはまったものへの反感で演技を始めた」

 最近放送されたドラマ『ファントム』に短いシーンながら出演したチェ・ダニエル。「(出番が少なくても)ドラマが面白ければいい」という言葉から、俳優としての安定感が感じられた。チェ・ダニエルは「演技をしながら、自分自身にうそ偽りがなく、真実だと感じられるときが一番うれしい。演技だけど『自分そのもの』のようになることを目指している。そのため、自分自身と毎日戦っている。真のコミュニケーションを取りたい」と話した。

チョン・ヘウク記者
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c)Chosunonline.com>
関連ニュース