このところテレビドラマでお茶の間の人気をさらっているのは「ヤングミセス女優」たちだ。
かつて結婚は女優生命を短くする「毒」も同じだったが、今では余裕や年輪を感じさせ、安定した演技を生み出す「薬」になっているといえるだろう。
今年初めのMBC水木ドラマ『太陽を抱く月』にはハン・ガインが出演、大ヒットしてミセス女優のパワーを立証したが、秋になってもその流れは続いている。
代表的なのは、結婚後しばらく育児に専念していたものの、このほど6年ぶりにSBS月火ドラマ『神医』で復帰したトップ女優キム・ヒソンだ。キム・ヒソンならではの元気ではじけるような魅力を十分に発揮しており、視聴率も好調だ。
先月9日に行われた同ドラマの制作発表会では「ハン・ガインさんが『太陽を抱く月』で魅力的だったので、個人的にはプレッシャーも感じています」と告白していた。
だが「私が結婚する前に比べ『年上女優&年下男優』という組み合わせの作品が増え、そのため視聴者も拒否感を持たずに見ていただけるのでうれしいです。私としては長いブランクで(演技の)感覚が鈍っているのではと心配していましたが、ありがたいことに相手役のイ・ミンホさんは実年齢より大人っぽいので…」と話し、会場の人々を笑わせた。
前月18日にスタートしたSBS週末ドラマ『5本の指』のチェ・シラとMBC週末ドラマ『メイクイーン』のハン・ジヘも代表的なミセス女優だ。チェ・シラは第1話から善と悪の間を行き来する二面性を持つ演技で「さすが」と絶賛されている。前作では全60話という長期間にわたる時代劇に出演したが、直後の『5本の指』ではヒロインを演じ、チュ・ジフン、チ・チャンウクらとともにストーリー展開をリードしていくことになる。脂の乗っている女優のパワーが感じられる。
2010年9月に現職検事と結婚、ミセス女優の仲間入りをしたハン・ジヘも活躍している。結婚後はMBC月火時代劇『チャクペ~相棒~』や中国ドラマ『天堂綉』、作品性の高い単発ドラマのヒロインを演じるなど、着実にキャリアを重ねている。『メイクイーン』では序盤に子役が出演、ハン・ジヘ自身の本格的な登場はまだだが、今回もキム・ジェウォンとジェヒという男優2人と三角関係になる設定のため、「主婦」の肩書きはしばらく忘れることになるだろう。
今年のミセス女優代表と言えばやはりキム・ナムジュだ。視聴率40%を超え「国民的ドラマ」になっているKBS第2の週末ドラマ『棚ぼたのあなた』で「今、一番数字が稼げるミセス女優」の座を不動にした。今年は前半・後半を通してみてもキム・ナムジュにかなう女優は見当たらない。 2005年に俳優キム・スンウと結婚、しばらく活動が途絶えていたが、09年のMBC月火ドラマ『僕の妻はスーパーウーマン』で華麗に復活した。しかも、ドラマでも「ヤング・ミセス」というキャラクターをうまく生かした演技で幅を広げており、新作に出演するたびに注目を浴びている。
これから放送が始まるドラマでもミセス女優の活躍は続きそうだ。9月8日にスタートする時代劇『大王の夢』(KBS第1)のパク・ジュミ、『ゴールデンタイム』の後番組としてスタートするMBC月火時代劇『馬医』のイ・ヨウォン、『おいしい人生』の後続となるSBS週末ドラマ『わが愛しの蝶々夫人』のヨム・ジョンアなど、秋以降もミセス女優がお茶の間の話題をさらいそうだ。