インタビュー:チュ・サンウク「『TEN』のジフンは、暗くて憂うつ、僕とは正反対」

インタビュー:チュ・サンウク「『TEN』のジフンは、暗くて憂うつ、僕とは正反対」

 チュ・サンウク主演のドラマ『TEN』は、韓国ドラマの常識を破る、本格派サスペンス。衝撃的な描写と人間の暗い闇の部分を細やかに描き、ケーブルドラマながら、高視聴率を記録して話題となった。同ドラマで冷徹な刑事を熱演したチュ・サンウクにインタビューした。

―『TEN』に出ることになったきっかけを教えてください。

 「1、2話の台本を読んでみてとてもよい作品だったので出ることにしました。内容が、僕が今までやったことがないものだったし、今までとは違うチュ・サンウクをお見せできるんじゃないかと思ったんです」

―韓国では珍しい「犯罪捜査スリラー」で、作品の評価も高かったのですが、どのように演じようと考えましたか。参考にしたドラマなどがありますか。

 「このドラマは、捜査にスリラーをプラスしたストーリーだったんで、リアリティーがある演じ方よりも、ミステリアスな感じで演じようと思いました。僕が演じたヨ・ジフンが、謎めいたキャラクターだったので、木村拓哉さんの『空から降る一億の星』を見て参考にしたりしました」

―このようなサスペンスドラマに出演したいという希望がもともとあったのでしょうか。

 「サスペンスがやりたかったというよりも、ヨ・ジフンという男に魅力を感じたので、ぜひ、僕なりの解釈で演じてみたいと思いました。ヨ・ジフンはどのように考えるだろう、どう行動するだろうと考えながらこの作品に取り組みました」

―今までのイメージとは違う役だったのですが、これまでと違った点などがありますか。

 「これまで多くのドラマで演じてきた『室長』役は、何度もやっているので演じやすいと皆さん思われるんですが、逆に、韓国ドラマにはたくさんの『室長』がいるので、ほかの人の室長のイメージがあったり、僕も同じキャラクターを演じたくないので、『室長』を演じるのは、意外に難しいんですよ(笑)。ヨ・ジフンを演じるにあたって、どんな人間なのかというカラーを決めて、それに従って演じたので、今までの『室長』役よりは、楽だったかもしれません」

―ヨ・ジフンという役に共感できましたか。ご自身との共通点は。

 「ジフンは、暗いし、いつも憂うつな感じで、僕とは正反対の人間なんです。僕は、1人で悩んだりする方ではないですし。演じている最中は、その役にとてものめり込む方なんですが、撮影が終わったら、すぐに元の自分に戻ります。ヨ・ジフンみたいな人間もいいかなって思うんですが、なかなかああいう人にはなれないですね(笑)」

―名脇役のキム・サンホさんと共演ということで、現場は楽しかったと想像しますが、思い出に残るエピソードはありますか。

 「僕がいる現場はすごく楽しいんですよ(笑)。ただ僕よりもサンホさんのほうがレベルが高い! シリアスな場面が多かったのですが、サンホさんが現場を盛り上げてくれたので、良かったです」

―チョ・アンさんとのロマンスがあるかなと思ったらなかった。残念ではなかったですか。

 「ナム・イェリ(チョ・アン)とヨ・ジフンの間には恋心があったと思います。ただ、死んだ彼女を思って『F』を追い詰めることばかりに専念してしまい、愛を考える暇もなかったように思います。僕としては、男女が出会ったら、お互いに恋心を抱いたりするわけですから、全くロマンスがないっていうのは、ありえないと思うんですよ。ただ、『TEN』は、それ以外の本筋のストーリーが複雑で面白かったので、特に恋愛がなくて残念とは思いませんでした」

―撮影したものは どの時点でご自身はご覧になるんですか。

 「撮影しながらモニタリングもしますし、放送の翌日には見ることができるので、チェックするようにしています。客観的に見ていると、いろんな問題点が見えてくるので、モニタリングはとても重要です」

ソウル= 野崎友子通信員
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