韓国芸能界で不動産投資がブームになっている中、ビルを購入した芸能人の多くが多大な借金を抱えていることが分かった。ビルを担保に金融機関から数十億ウォン(10億ウォン=約7000万円)を借りていることが調査で分かったものだが、不動産価格は最近下がっており、返済により精神面でもかなりの苦労を抱えているケースもあるという。
■基準時価1位はソン・スンホンだが…真のビル長者は?
芸能人で最も値段が高いビルの所有者は、MBC週末ドラマ『Dr.JIN』で主演している韓流スター、ソン・スンホンだった。
経済情報サイト「財閥ドットコム」が国税庁の評価基準に基づき、人気芸能人26人が所有する商業ビル27棟の2012年度基準時価を調査したところ、ソン・スンホンが所有しているソウル市瑞草区蚕院洞のビルが107億6000万ウォン(約7億4100万円)と最も高く評価された。
ソン・スンホンが2006年に114億ウォン(約7億8500万円)で購入したこのビルは、敷地539平方メートル、延べ面積1311平方メートル、地下1階・地上4階建て。土地の公示地価は1平方メートル当たり1000万ウォン(約70万円)を超えており、用途や立地なども非常に高い価値を持っていることで知られている。
2位は歌手ソテジだ。ソテジが所有している江南区ノンヒョン洞の地下3階・地上6階建てビルは基準時価92億7000万ウォン(約6億4000万円)となっている。ソテジはこのビルのほかに鍾路区廟洞に父親と共同名義で地上10階建てビルを所有、基準時価は63億5000万ウォン(約4億3800万円)だ。ビル2棟の基準時価合計額は166億2000万ウォン(約11億4600万円)で、韓国芸能界一のビル長者とされている。
3位はチャ・インピョ&シン・エラ夫妻が所有している江南区清潭洞の地下2階・地上6階建てビルで同73億3000万ウォン(約5億500万円)、以下パク・ジュンフンの同区駅三洞にあるビルが同62億4000万ウォン(約4億3000万円)、イ・ジェリョン&ユ・ホジョン夫妻の清潭洞のビルが同53億4000万ウォン(約3億6800万円)となっている。
このほか、チェ・ランが所有している江南区清潭洞のビルは52億5000万ウォン(約3億6200万円)、チャン・グンソクの同所のビルは52億4000万ウォン(3億6100万円)。最近、同区新沙洞に地下2階・地上5階建ての新築ビルを買ったパク・ジョンスの物件は48億7000万ウォン(約3億3600万円)であることが分かった。
■韓国芸能界のビル購入ブーム、実は借金も多い
芸能人所有ビルの基準時価が今回初めて公表されたこともあり、世間の関心は高い。基準時価とは、国税庁が公示地価・新築価格・立地指数・減価償却などを考慮し評価するもので、譲渡所得税など課税の基準となる。相場とは差があるが、一般的には基準時価が高ければ高いほど相場も高い。
今回の調査結果は、芸能人たちがケタ違いに高いビルを所有していることに驚かされるのと同時に、実はそのほとんどが「借金王」でもあるということにも気付かされる。
事実、調査対象26人が所有しているビル全体の基準時価総額は1160億ウォン(約80億円)だが、ビルを担保に借り入れた額は966億ウォン(約66億6000万円)だった。芸能人がビルを担保に銀行などの金融機関から借りたローン総額は基準時価の平均80%以上に当たる計算だが、そのうち一部芸能人のビルは購入価格が基準時価の3倍を上回るケースもあった。
基準時価が相場を完全に反映できず、金融機関の融資も芸能人の知名度・事業計画・追加担保余力などを考慮して行われることを差し引いても、芸能人の不動産投資バブルが懸念される。
最も債務比率が高いのは、ヤン・ヒョンソク代表が所有する麻浦区合井洞のYGエンターテインメント社屋だ。基準時価33億6000万ウォン(約2億3200万円)のビルを担保に、101億4000万ウォン(約7億円)を借りており、担保比率はなんと301.4%になる。
また、主演ドラマ『紳士の品格』がヒットしているチャン・ドンゴンが昨年6月に126億ウォン(約8億7000万円)で購入した竜山区漢南洞のビルは、今年の基準時価が34億ウォン(約2億3400万円)に過ぎないが、借入額は基準時価の148%に当たる48億ウォン(約3億3100万円)に達している。
昨年4月に47億5000万ウォン(約3億2700万円)でイ・ジョンジェが購入した江南区新沙洞のビルの基準時価は19億9000万ウォン(約1億3700万円)だったが、借入額は基準時価よりも2.3倍多い45億5000万ウォン(約3億1400万円)とのことだ。