インタビュー:カン・ジファン「鶏胸肉をエサのように…」

インタビュー:カン・ジファン「鶏胸肉をエサのように…」

 見るのも暑苦しい超重量級からマッチョなファッション・モデルへ。俳優カン・ジファンは一つの作品の中で全くの別人のように変わる。映画『チャ刑事』で見せたカン・ジファンの変身ぶりは「本当に同じ人が演じているの?」と思ったほどだ。

 おデブな刑事が麻薬事件捜査のため2週間で20キロ減量してモデルになるというストーリー。カン・ジファンはこの役を演じるのに、実際に3カ月で12キロ太り、その後15キロやせた。普通は食欲を抑えなければならないので、太るよりもやせる方が難しいものだ。ところが、カン・ジファンにとっては太ることもダイエット並みにきついことだった。

 「うちは家族そろってやせ形です。その上、今回体重を増やすときはやたらに脂っこい料理を食べるのではなく、鶏胸肉を『エサのように』食べました。そうすれば体形を戻すとき、見た目にもきれいな筋肉質の体型になれるんです。韓国相撲の力士のように筋肉の塊を作るんです」

 では、減量のときはどのようにしたのだろうか。ダイエット法について聞いてみた。すると「食べてはいけません。正解はありません」と言って笑った。「減量するときは普通、サツマイモやジャガイモなどを食べながら体重を落としますが、僕は食べないで運動をしました。ビタミン剤で栄養補給しながら。決まった日までに体重を落とさなければならないのに、これといった答えがないんです。やりながら『これはちょっと違うな』とか思っていました」

 撮影中はずっと体重によるストレスに悩まされた。アクション・シーンもこなさなければならない。「アクション・シーンの撮影でつらいと感じたことはありませんでした。『撮影が終わったら減量のためジムに行かなければならないのに、疲れてできないかも』と心配する程度でした」

 「カッコよく変身しなければならない期限に間に合わせる自信がなくて『そのシーンだけ1カ月か2カ月先に撮ったらダメ?』と頼もうかとも悩みましたが、『3カ月も体重との戦いを繰り広げてきたのに、それをさらに1・2カ月続けるより、一度で終わらせる方がまし』と思ったんです。いつも筋肉隆々の体をキープしているアイドルやアクション俳優さんは本当にすごいですね」

 容易な道のりではなかったが、共演者の女優ソン・ユリが大きな支えになった。4年前のドラマ『快刀ホン・ギルドン』で一度共演経験があったため、リラックスしたムードの中で撮影に臨めた。

 「ユリさんと一緒に撮影をしていて、一番大きなメリットはそうしたことでした。途中でつらくなっても、お互いのことをよく知っているため十分理解してくれるし、話せる雰囲気がありました。初めて共演する女優さんだったら、たぶん僕の印象はすごく良くなかったでしょう(笑)」

 デビュー10年目を迎えた。「『チャ刑事』は10年間の俳優生活のターニング・ポイントになる気がします。人を笑わせるためのコメディー映画ですが、太ってまたやせるというチャレンジをしたことは、自分でも不思議だし、よくやったと思います。『単にお金を稼ぐために俳優をしているんじゃなかったんだ』と思いました。後で振り返ったときも胸がいっぱいになるでしょう」

 「コメディー映画ですが、特殊メークで最初から人の手を加えてやるより、実際に太ってからやせるというプロセスを通じ、1%でも2%でもリアリティーを持たせたかったんです」というカン・ジファン。体重に関する良くない思い出」がまだ残っているのか「今後はこういう作品には絶対出ませんよ」と言って笑った。

インタビュー:カン・ジファン「鶏胸肉をエサのように…」

チョン・ヘウク記者
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